離婚・男女問題などでお悩みの方は
ご相談ください
アメリカでは、司法だけでなく、社会保障、行政が一体となって養育費制度を整えています。50州すべてに、統一州法委員会が公表したモデル法「州際における家族の扶養に関する統一法」(通称「UIFSA」)が採択されており、各州の制定法に組み込まれています。
アメリカは、州によって適用される法を異にする不統一法国ですが、それでは、権利者である子と義務者である親が異なる州に居住する場合に、複数の州の裁判所の管轄権が競合する事態や迅速に養育費を得られない事態が生じてしまいます。そこでUIFSAは、養育費の裁判管轄に関する統一ルールを定めるとともに、他州の裁判所による養育費の登録制度を設け、州をまたいだ養育費の確保を図っています。
養育費の計算方法
各州は養育費ガイドラインを設けており、主に所得シェア方式と所得パーセント方式のいずれかを採用していますが、フロリダ州は所得シェア方式を取っています。
所得シェア方式は、一つの家庭で生活していたら得られる生活水準を、互いの両親が同じ割合あるいは分担して支払う計算方法です。例えば、父母の合計収入のうち、各自の負担割合を計算し、毎月子に係る費用を出し、各親の負担割合に応じて子の養育費を算出します。
養育費の徴収方法
養育費の徴収は、当事者間で取り決めるほか、義務者の給与から引き落とされるようになっており、アメリカ全体の70%弱は給与引き落としのようです。事業主は雇用から20日以内に被雇用者を州に登録しなければならず、これが自動的に連邦に登録され、それにより義務者の収入源が特定されます。その他、連邦や州の所得税還付金からの相殺、失業給付からの相殺、財産への先取特権等があります。
養育費が支払われない場合は?
当事者間で合意した養育費又は裁判所で命じられた養育費が義務者から支払われない場合、州の養育費履行強制局で履行手続きを行います。事業主が被雇用者を州に登録すると自動的に連邦に登録されるため、義務者は全国網で収入源が特定され、当局により養育費を請求されます。養育費の徴収は義務者の給与から引き落とされ、当局から監護親へ養育費が給付されます。義務者が養育費を支払わない場合は、裁判所に召喚され、審理が行われます。このとき、義務者を追求するのは州の検察官です。それでも不履行の場合は、運転免許証、州の職業もしくは商業免許の差し押さえや取消し、パスポート発行の拒絶又は取消しがなされます。最終的には裁判所侮辱罪として、支払うまで刑務所に収監されます。
なお、UIFSAは、「UIFSAと実質的に類似する養育費命令の発出及び執行に関する制定法又は規則を有する」外国の裁判所による判決についても、他州の判決と同様に扱うとしています。日本の裁判所がアメリカで出された養育費命令について、外国判決の承認を認めている現状を鑑みれば、日本の養育費審判もUIFSAによる承認を受け得ると考えられ、例えば日本で子の養育費に関して審判を得ていれば、フロリダ州法上も執行力を確保することができると思われます。
義務者の所在が不明の場合は?
義務者の所在が不明の場合は、州及び連邦の親検索サービスを利用することができます。まずは義務者が所在する可能性が高い州の養育費請求局に必要事項を届け出ますが、このときに重要な手掛かりとなるのが社会保障番号です。そのため、離婚前に義務者となる親の社会保障番号を把握しておくことが望ましいです。
州の検索サービスで見つけることができない場合は、連邦レベルの検索サービスを利用することができます。社会保障庁等の連邦政府機関が把握する情報と照会されて、義務者の所在が特定されます。
フロリダ州関連記事
離婚・男女問題などでお悩みの方は
ご相談ください
離婚無料相談実施中

- 離婚の話し合いをするに当たって、直近ですべきことがわかるようになります
- 将来の経済的な生活設計(経済面、子どもの養育面など)を視野に入れた上で、
ご相談者様にとって最適の方法をご提案します。 - ご相談者のお話を丁寧に聞き、「心」の満足を得ていただくことができます











