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親権とは?基本概念と知っておくべき2つの権利

親権は、子どもの生活や教育、財産を守るために親が持つ重要な権限です。
離婚時には「どちらが親権を持つか」が大きな争点となるため、制度の概要を正しく理解する必要があります。
ここでは、親権の基本概念や含まれている2つの権利を詳しく解説します。
親権とは「未成年の子どもを育てるための包括的な権利と義務」
親権とは、未成年の子どもを育てるために親が持つ権利と義務の総称です。この権利は、親の都合で自由に使えるものではなく、法律が「子どもの利益を守るため」に与えている制度です。
これを示す根拠として、民法第820条1項には、以下のように明記されています。
(監護及び教育の権利義務)
第八百二十条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
引用:民法|第820条1項
つまり、親権を持つ親は、財産管理や生活環境の整備などを通じて、子どもが心身ともに成長できる環境を整える責任を負います。
親権を父母のどちらが取得するかは、夫婦間の協議で決定するのが基本です。しかし、親権争いが生じた場合は、家庭裁判所が介入して取り決めるケースもあります。
現行制度では、離婚後に親権を持つのは父母のどちらか一方に限られます。(民法第819条1項)
これを「単独親権」と言いますが、2024年に可決した民法改正により、2026年4月1日から共同親権制度が導入される予定です。(参照:法務局|父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました)
具体的な運用や手続の細部は、今後公表される政省令や運用指針等で明確化されます。最新情報は法務省・裁判所の公式発表を確認してください。
親権には「財産管理権」「身上監護権」が含まれる
親権は一つの権利として扱われますが、実際には「財産管理権」と「身上監護権」の2つで構成されています。
どちらも子どもの利益を守るために欠かせないもので、家庭裁判所が親権者を判断する際にも重要な基準となります。
財産管理権|子どもの財産を管理・処分するための権限
財産管理権とは、民法第824条に基づき、未成年の子どもに代わって財産を管理したり、財産に関する法律行為を代理したりする権限です。
(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
引用:民法|第824条
子どもは契約などの法律行為を単独で行えないため、親権者が法定代理人として子どもの財産を管理する必要があります。
財産管理の具体例としては、以下のとおりです。
- 子ども名義の銀行口座の開設や解約
- 多額の贈与や遺産相続で子どもが得た不動産や現金の管理・運用 など
また、子どもが何らかの被害を受けた際の損害賠償請求や、財産に関する法律的な手続きを代理で行うのも、この財産管理権に基づいています。
ただし、親権者であっても自由に子どもの財産を使えるわけではありません。財産管理権は親が子どもの利益を守るために行使するものであり、親の都合で行使できるわけではありません。
身上監護権|子どもの養育・教育・生活環境を整えるための権限
身上監護権とは、民法第820条で定められた、子どもの生活や教育、健康を守るために必要な世話や指導を行う権限です。
(監護及び教育の権利義務)
第八百二十条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
引用:民法|第820条
この権限に基づき、親は子どもと実際に一緒に暮らし、日常的な世話や教育、しつけなどを行います。
具体的には「居所指定権として子どもの住む場所を決定する」「教育権として子どもに受けさせる教育(学校や習い事など)を選ぶ」などです。
また、子どもの病気や怪我の際に医療機関を受診させるかどうかの判断や、生活に必要な衣食住を整えることも身上監護権に含まれます。
身上監護権は、親が自由に使える権限ではなく、子どもが心身ともに成長できる環境を整える責任を負う制度ということを理解しておきましょう。
親権は何歳まで続く?
親権は、原則として子どもが18歳の誕生日を迎えるまで続きます。
かつては20歳で成人するとされていましたが、2022年4月の民法改正によって成年年齢が18歳に引き下げられました。(参照:法務省|民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について)
したがって、現在では子どもが18歳の誕生日を迎えた時点で、親権は自動的に消滅します。18歳以降は、子ども自身が自分の財産管理や住居の決定など、すべての法律行為を単独で行えるようになります。
ただし、親権が終了しても、親の養育義務が完全に消えるわけではありません。子どもが大学や専門学校に在学中など、経済的に自立していない場合は、引き続き生活費や学費を支援する責任が生じます。
親権がないとどうなるのか?一覧

離婚によって親権を持たない親(非親権者)になった場合、法律上の権限は大きく制限されます。
しかし、一方で親子関係そのものが途絶えるわけではないため、一定の権利も認められています。
以下で、親権を持たない場合に「できないこと」と「できること」をそれぞれ整理しましょう。
親権がないと認められていないこと
親権を持たない場合、子どもに関する多くの法的手続きや判断を単独で行うことはできません。親権は「子どもの生活や財産を包括的に守る権限」であるため、その範囲外の行為は制限されます。
以下の表は、親権がない場合に認められない主な行為の一覧です。
| 行為の内容 | 親権がないとできないこと | 補足事項 |
|---|---|---|
| 子どもの居住地の決定 | 子どもの住む場所や転校先を決定すること | 親権者(または監護権者)のみが決定できる |
| 法律行為 | 子どもの代わりに訴訟の提起や契約締結などを行うこと | 親権者が法定代理人として行う |
| 医療機関の診療・手術に関する同意 | 子どもの病気を治すための手術に署名すること | 親権者のみが同意・署名できる |
| 子どもの財産管理 | 子ども名義の預貯金の管理、各種契約の代理など | 子どもの財産に一切関与できない |
| 子どものパスポート申請・保険手続き | 子どもの旅券発給申請の同意・手続き | 原則として親権者のみが行える |
このように、親権を持たない場合は、子どもの生活・教育・医療・財産に直接関与できません。ただし、監護権者に指定されている場合は、これらへの同意等は可能です。
もっとも、これらの制限は「子どもの利益を守るため」に設けられており、親を排除するための制度ではありません。
次の項では、親権がなくても行えることを解説します。
親権がなくても認められていること
親権がなくても、子どもと関わる権利や義務がすべてなくなるわけではありません。たとえば、家庭裁判所で取り決めた面会交流や養育費の支払いなど、親として子どもの成長を支える関与は引き続き認められます。
以下は、親権がなくても一定の権利や義務として認められているものです。
| 権利・義務 | 詳細(権利の例) |
|---|---|
| 面会交流の権利 | 子どもと定期的に会う 手紙や電話などで連絡を取り合う 長期休暇中に宿泊を伴う形で一緒に過ごす |
| 養育費の支払義務 | 子どもの生活費や教育費(学費、習い事代など)を親権者へ支払う 医療費や特別な出費(進学費用など)を分担する |
| 扶養義務 | 子どもが生活に困窮した場合に経済的な援助を行う 成人後も、学業や病気などで自立が困難な場合に援助を継続する |
| 相続権 | 親(非親権者)が亡くなった際に、子どもが法定相続人として財産を相続する 子どもが亡くなった場合に、非親権者である親が法定相続人となる |
| 親として子どもの情報共有を求める権利 | 子どもの健康状態や重大な病歴について、親権者から報告を受ける 子どもの進学先や学校での活動状況など、重要な教育情報を共有してもらう |
これらの権利・義務は、子どもの健全な発達を支える目的で認められています。特に面会交流は、親子の絆を維持し、子どもが両親から継続的な愛情や関心を受けるために認められている権利です。
親権がなくても「子どもに関わる責任」は残るため、裁判所の定める範囲で積極的に関与する姿勢が求められます。
親権と監護権の違いは「財産管理権の有無」
親権と監護権は似た言葉ですが、法的には異なる意味を持つ制度です。この2つの権利の大きな違いは、子どもの財産を管理できるかどうか(財産管理権の有無)にあります。
親権は、前述の通り「財産管理権」と「身上監護権」の二つから構成される包括的な権利と義務です。一方の監護権とは、そのうちの「身上監護権」の部分だけを指します。
具体的な違いは、以下のとおりです。
| 権利の名称 | 構成要素 | 主な権限 |
|---|---|---|
| 親権者 | 財産管理権+身上監護権 | 子どもの法定代理人としての法律行為 子どもの財産の管理 日常の養育・教育全般 |
| 監護者 | 身上監護権のみ | 子どもと一緒に暮らす 日常の世話やしつけを担う 子どもの居所を決定する 子どもの就業を許可する(職業許可権) |
通常は、親権者が財産管理権と身上監護権の両方を持つため、親権者と監護権者は同一です。
しかし、離婚時の事情によっては、親権=父親・監護権=母親のように分けて定めるケースもあります。たとえば、父親が子どもの財産管理を行い、母親が日常生活の世話を担う場合です。
親権者・監護者の分離が認められるかどうかは、家庭裁判所が子どもの利益を最優先に判断します。
親権者の決め方【基本の3ステップ】

離婚時に未成年の子どもがいる場合、父母どちらを親権者とするのかを定めなければなりません。
親権者を決めるまでの流れは、以下の3ステップです。
- ステップ1|夫婦間で親権をどちらにするか話し合う
- ステップ2|家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
- ステップ3|協議がまとまらなかった場合は裁判に移行する
親権者が決まる仕組みを整理し、今後の手続きをスムーズに進められるようにしましょう。
ステップ1|夫婦間で親権をどちらにするか話し合う
まずは、夫婦間での話し合い(協議)によって親権者を決定します。協議離婚の段階で親権者を決定するのが、最も迅速かつ精神的な負担が少ない方法です。
具体的には、これまでの養育実績や離婚後の生活環境、子どもの意思などを総合的に考慮し、合意を目指します。話し合いで親権者が決まれば、その内容を離婚届に記載するだけで手続きは完了します。(戸籍法第76条1号)
しかし、親権の争いは感情的になりやすく、夫婦だけで冷静な話し合いが困難な場合も少なくありません。後の紛争を避けるためにも、合意内容は離婚協議書として書面に残すと良いでしょう。
ステップ2|家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
夫婦間の話し合いで親権者が決められない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。
調停とは、裁判官と調停委員が間に入り、当事者双方から意見や事情を聞き取りながら、解決策を探る法的手続きです。(参照:裁判所|夫婦関係調整調停(離婚))
調停委員は、法的な知識だけでなく、夫婦・親子関係に関する専門的な知見も持っています。そのため、強制的に親権者を決めるのではなく、子どもの福祉の観点から中立的な立場で話し合いを促します。
調停はあくまで話し合いで解決を目指す手続きであり、双方が合意しなければ成立しません。しかし、双方が合意し、調停で親権者が決まり離婚が成立するケースはとても多いです。
離婚調停を申し立てる際は、必要書類を用意し、相手方の住所地の家庭裁判所に提出します。当事者間で相談して決めた家庭裁判所に提出しても構いません。
離婚調停に必要な書類や費用、その他詳細は、こちらをご覧ください。
ステップ3|協議がまとまらなかった場合は裁判に移行する
調停でも合意に至らない場合、最終的には家庭裁判所が離婚裁判で親権者を決定します。(参照:裁判所|親権者)
離婚裁判では、調停で得られた資料や調査官の報告、裁判官が独自に判断した一切の事情を基に、家庭裁判所が親権者を決定します。
裁判所が親権者を決める際は、どちらの親が子どもの利益をより適切に守れるかを判断基準としています。具体的には、これまでの監護実績や養育環境の安定性、経済力、健康状態などが評価対象です。子どもがある程度の年齢に達している場合には、本人の意思も尊重されます。
離婚裁判で親権が確定すると、判決内容に基づいて戸籍上の親権者が正式に登録されます。
離婚裁判の結果に納得できない場合、当事者は2週間以内に高等裁判所へ不服を申し立てる(控訴する)ことが可能です。
離婚調停や裁判は長期化しやすく、精神的な負担が大きい法的手続きです。「親権を得るために何から準備すれば良いかわからない」とお悩みの方は、丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。
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親権者を決める際に家庭裁判所が重視する5つの判断基準

家庭裁判所が親権者を決定する際は、子どもの利益を最優先にどうすべきかを検討します。
親権を決める上で評価対象となるのは、主に以下のとおりです。
- 監護の貢献度|これまでどちらが主に監護してきたか
- 養育環境の安定性|離婚後に子どもの監護体制を整えられるか
- 経済力|養育に必要な経済力が備わっているか
- 親権者の健康状態|心身ともに子どもを安定して育てられるか
- 養育に充てられる時間|子どもと過ごす時間を十分に確保できるか
ご自分の状況と照らし合わせながら、各基準のポイントを確認してみてください。
1. 監護の貢献度|これまでどちらが主に監護してきたか
家庭裁判所が親権を判断する上で、最も重視されるのが監護の貢献度です。これまでどちらが主に子どもの世話をしてきたか、つまり「監護の実績」が評価されます。
具体的には、以下の「日常的に子どもの生活を支えてきた実態」が重視されます。
- 食事の用意や登下校の付き添い
- 病気の看病
- 習い事の送迎など
単に扶養していたかどうかではなく、日常の関わりの深さが重要な判断基準です。
家庭裁判所は、生活の安定を最優先に考えるため、監護を継続している親の環境を尊重する傾向があります。そのため、親権を希望する場合は、これまで自分がどのように子どもと関わってきたのかを客観的に示すことが大切です。
2. 養育環境の安定性|離婚後に子どもの監護体制を整えられるか
家庭裁判所は、離婚後に子どもが安定した生活を送れるかどうかを重視します。これを「養育環境の安定性」といい、住居・生活リズム・教育環境など、子どもが不安なく成長できる体制が整っているかを確認します。
具体的な評価ポイントは、以下のとおりです。
- 住居の確保状況や転居
- 転校の有無
- 生活環境の変化による子どもへの影響 など
家庭裁判所は「離婚後も子どもの生活が大きく変わらないこと」を重視するため、環境が急変するケースでは慎重に判断します。
精神的・物理的に安定した生活環境を子どもに提供し続けられるかどうかは、親権を決める上で重要なポイントです。
3. 経済力|養育に必要な経済力が備わっているか
子どもの生活費、教育費、医療費などを継続的に賄うための経済的な基盤がある点も、親権者を選ぶ上での判断材料の一つです。
経済力では、親権者となる親が安定した収入を得ているか、または生活を維持できるだけの資産があるかが評価されます。
ただし、経済力だけが親権を決定する絶対的な要因ではありません。親の経済力が相手方より劣っていたとしても、監護の貢献度や子どもとの結びつきが強ければ、親権を獲得する可能性は十分にあります。
4. 親権者の健康状態|心身ともに子どもを安定して育てられるか
家庭裁判所が親権を決定する際は、親の心身の健康状態も評価対象としています。子どもの生活を安定して支えるには、身体的・精神的に無理のない状態であることが欠かせないためです。
例えば、親が重度の病気を抱えており、子どもの日常的な世話や養育に支障をきたす可能性がある場合、親権獲得が難しくなるケースがあります。
ただし、病歴があること自体が不利になるわけではありません。治療を継続していて、安定した生活リズムを保てている場合は、問題視されないケースも多くあります。
重要なのは、親権者が自分の健康を管理しつつ、子どもと安定した情緒的な関係を築き、健全な環境を提供できるかどうかです。
5. 養育に充てられる時間|子どもと過ごす時間を十分に確保できるか
家庭裁判所は、親がどれだけ子どもと関わる時間を確保できるかも重視します。
たとえば、親が多忙で子どもと過ごす時間が少なくなる場合、監護が手薄になるのではないかと判断される可能性があります。
ただし、親が仕事をしていること自体を否定するわけではありません。あくまで仕事と子育てのバランスが取れているか、子どもとの交流時間を意識的に確保できるかを評価します。
親権を希望する場合は、勤務スケジュールやサポートしてくれる家族の協力体制の有無などを主張すると良いでしょう。
【ケース別】親権者を決める際に用いられる考え方

親権選択では、先ほど解説した判断基準に加え、子どもの年齢や兄弟の有無など、個別の事情に応じて重視される考え方があります。
代表的な考え方と該当するケースは、以下のとおりです。
- 子どもが乳幼児の場合|母親優先の原則
- 兄弟姉妹がいる場合|兄弟不分離の原則
- 子どもが15歳以上の場合(目安)|子どもの意思尊重
ご自分のケースに近い考え方を知っておくことで、親権獲得に向けた準備がしやすくなります。以下で、家庭裁判所がどのような視点で親権を判断しているかを確認しましょう。
子どもが乳幼児の場合|母親優先の原則
子どもが乳幼児の場合、母親が親権者として選ばれる傾向が強いです。
家庭裁判所は、乳幼児期の子どもにとって母親の存在が精神的安定につながると考えています。これは、授乳や夜間の世話など、母親が中心となって生活を支えている実態が多いためです。
ただし、この原則は絶対ではありません。父親の監護実績が高い場合や、母親の監護能力に問題(虐待・育児放棄など)がある場合、父親が親権を獲得する可能性もあります。
兄弟姉妹がいる場合|兄弟不分離の原則
複数の子どもがいる場合、家庭裁判所は「兄弟不分離の原則」を重視する傾向があります。
これは、兄弟姉妹が一緒に生活することで精神的な支え合いが生まれ、子どもの成長に良い影響を与えると考えられるためです。
特に年齢が近い兄弟姉妹の場合、離れ離れに暮らすことで不安や孤独を感じやすくなる傾向があります。そのため、親権や監護権を決める際、裁判所は兄弟を同じ環境で育てられるかを慎重に判断します。
ただし、すべてのケースで必ず兄弟を一緒にするとは限りません。兄弟の年齢差が大きい場合、進学・生活環境の違いによって別々の監護が望ましい場合は、この法則は除外される可能性があります。
子どもが15歳以上の場合(目安)|子どもの意思尊重
子どもが15歳以上の場合、家庭裁判所は子どもの意思を尊重して親権者を決定します。
家事事件手続法第169条2項では、以下のように明記されています。
(陳述の聴取)
第百六十九条
2 家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の審判をする場合には、第六十八条の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。
引用:家事事件手続法|第169条2項
この条文は、家庭裁判所が親権に関する判断を行う際、15歳以上の子どもの意見を必ず聴取しなければならない旨を定めたものです。
実務でも、子どもの意思は調査官との面談などを通じて慎重に確認されます。
親権を希望する場合、子どもが安心して意見を述べられるよう、信頼関係を築くことが大切です。感情的な説得ではなく、生活や将来を一緒に考える姿勢を見せることで、裁判所の判断にも良い影響を与えられます。
親権を獲得するために押さえておきたい3つのポイント

親権の判断では、理論や条件だけでなく、これまでの行動や具体的な証拠が重視されます。
親権を獲得するために押さえておきたいポイントは、以下の3点です。
- これまでの監護実績を示す
- 面会交流に積極的な姿勢を見せる
- 子どもの意思を尊重する
家庭裁判所は、親の希望よりも子どもの利益を最優先に判断します。そのため、親権を決める話し合いをどう進めるかによって、親権の判断に影響する可能性があります。
以下で具体的なポイントを確認し、親権獲得の可能性を少しでも高めましょう。
1. これまでの監護実績を示す
親権を獲得する上で決定的な要因となるのが、これまでの監護実績です。
家庭裁判所は子どもが離婚後も安定した生活を送れるかを親権選択の判断基準とします。そのため、どちらの親がこれまで主に子どもの生活を支えてきたかが重視されるのです。
監護実績を裏付けるには、日々の育児にどれだけ深く関わってきたのかを客観的な証拠で示すのがポイントです。
監護実績の証拠として有効なのは、以下のようなものです。
- 学校や保育園の連絡帳、通知表、行事の記録
- 病院や習い事の診察券、予約記録、送迎記録
- 毎日作成した食事や生活の記録(日記、家計簿など)
- 担任の先生や地域の人からの監護状況に関する証言
日常的な関わりを証拠として可視化すれば、裁判官に「離婚後も子どもの生活を安定して支えられる」と伝えやすくなります。
親権争いで監護実績を裏付ける証拠を収集する際は、離婚問題に強い弁護士と連携すればスムーズに手続きを進めやすくなるでしょう。
2. 面会交流に積極的な姿勢を見せる
親権を得る上で重要なのが、面会交流に前向きな姿勢を示すことです。
家庭裁判所は、親権を希望する親が子どもに対してどれだけ協調的に行動できるかを重視します。面会交流に非協力的だと、家庭裁判所から「子どもの利益を考えていない」「親子関係を断ち切ろうとしている」と判断され、親権者としての適格性に疑問を持たれる可能性があります。
子どもにとって、離れて暮らす親との交流も大切な心の支えです。そのため、面会交流を円滑に行う姿勢は「子どもの福祉を第一に考えている」として好意的に評価されます。
面会交流の実施状況や記録があれば、具体的に示しておくと信頼性が高まります。
3. 子どもの意思を尊重する
子どもの年齢に関わらず、子どもの意見や気持ちを最大限に尊重する姿勢も大切です。
15歳以上の子どもは、法律により裁判所がその意思を聴取しなければなりません。子どもがまだ幼い場合でも、「子どもの意思を無視して力ずくで引き取る」といった行為は避けるべきです。
そのような行為は、子どもの情緒的な安定を損なうリスクがあり、結果的に親権の判断で不利に働く可能性があります。親の希望を優先するのではなく、子どもの気持ちを丁寧に受け止める姿勢が重要です。
丸の内ソレイユ法律事務所では、親権に関するお悩み相談を受け付けております。離婚後の生活設計も踏まえ、あなたにとって最善の道は何か共に考えていきましょう。女性の初回相談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
別居期間1年未満で夫が親権を獲得した事例
実際に弊所にご相談いただき解決した事例を紹介します。
ご依頼の経緯
Hさんの妻は非常にハードな内容のチャットレディをしていました。(軽い精神的な病気も抱えていた)
見かねたHさんは子供を連れて家出し、別居を開始しました。
別居中もHさんは、ブログに育児の状況を載せて妻にも子供が見れるようにしていました。
しかし、別居から3,4ヶ月経った段階で妻が訴訟を起こしました。
当事務所の対応
Hさんは弁護士に依頼し、裁判の結果親権を獲得しました。
別居期間1年未満のスピード解決でした。(面会交流は月に1回です)
関連記事:別居期間1年未満で夫が親権を獲得した事例
上記のようなトラブルの際は、ぜひ弊所にご相談ください。女性の初回相談は無料ですので、離婚時の財産分与にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
親権に関するよくある質問
親権がなくても子どもと一緒に住める方法はありますか?
親権がなくても、監護権を持っていれば子どもと一緒に生活することは可能です。
監護権とは、子どもの身の回りの世話や教育など、日常生活を支える権限のことです。離婚時に「親権=父親」「監護権=母親」などと分けて定めるケースも認められる場合があります。
ただし、一般的には親権者が監護権も行使するため、親権者・監護権者は同一になるのが原則です。
権利が分離されるのは、親権争いの早期解決が期待される場合や親権者が病気などで監護を物理的に行えない事情がある場合などに限られます。
18歳を過ぎた子供の親権はどうなりますか?
結論として、18歳を迎えた時点で親権は消滅します。
2022年4月の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。したがって、現在は子どもが満18歳の誕生日を迎えた時点で、親権者の法的権限はなくなります。(参照:法務省|民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について)
18歳以降は、親権ではなく「扶養義務」に基づき支援を行う関係になります。たとえば、子どもが大学に在学中で経済的に自立していない場合、親が生活費や学費を負担するなどが代表的な扶養のケースです。
父親が親権を得るケースはありますか?
親権は母親が獲得するケースが多いですが、父親が親権を獲得するケースは十分にあります。
父親が親権を獲得しやすい主な状況は、以下のとおりです。
- 父親が主たる監護者であった場合
- 母親の監護能力に問題がある場合
- 子どもが父親との生活を強く希望している場合
- 母親の養育環境が不安定な場合
たとえば、母親が子どもに虐待や育児放棄(ネグレクト)をしている場合、子どもの安全を守るために父親が親権を得る可能性があります。
親権を希望する場合、日常的な子どもとの関わりを示し、離婚後子どもの生活をどう支えていけるかを調停や裁判で説明することが重要です。
まとめ|親権の仕組みを理解して適切な準備を進めよう
親権は、単なる権利ではなく、子どもの健やかな成長を支えるための重要な義務です。親の希望ではなく、子どもの利益を最優先に判断される点を理解しておきましょう。
家庭裁判所が親権者を決める際には、これまでの監護実績、生活環境の安定、経済力など複数の要素を総合的に判断します。
とくに、親としてどのように子どもに関わってきたかが大きな判断材料となります。
親権を希望する場合は、子どもの生活を安定して支えられる環境づくりと、誠実な養育姿勢を示すことが欠かせません。
話し合いでの解決が難しいときは、弁護士などの専門家に早めに相談し、客観的なアドバイスを得ながら準備を進めましょう。
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