日本では、未成年の子を育成する上での親の権利や責任を「親権・監護権」と言います。
米国では、これを一般に Custodyと言いますが、テキサス州法ではこれをConservatorshipと言います。
Conservatorshipには、Sole Managing Conservatorship(単独保護・親権)とJoint Managing Conservatorship(共同保護・親権)の 2 種類がありますが、テキサス州では、原則としてJoint Managing Conservatorship が子にとって望ましいと考えられています。
Sole Managing Conservatorship(単独保護・親権)
例外的ではありますが、一方親が Sole Managing Conservator(単独保護者)として指名されることがあります。単独保護者には、子の住居を決定する権利、子の教育を決定する権利、子の医療処置に同意する権利、子の収入や財産に対する権利、養育費を受け取る権利、子の結婚や軍隊入隊に同意する権利、子のパスポートを申請する権利、法的手続において子を代理する権利など、子の養育に関わる事項について、他方親よりも優位な権利が与えられます。
裁判所が Sole Managing Conservator を指名する理由として、例えば、以下の事例があります。
⑴ 過去に、他方親による家庭内暴力や親としての義務の怠慢・虐待などがあり、子の心身への危険が考えられる。
⑵ 過去に、他方親による麻薬や飲酒その他の違法行為があり、子の心身への危険が考えられる。
⑶ 他方親と子の関係が疎遠である。
⑷ 過去に、両親と子との間で、教育、医療処置、宗教観等に関して極度の意見の相違があった。
⑸ 他方親が Joint Management Conservator としての指名を拒否した。
Joint Managing Conservatorship (共同保護・親権)
両親が Joint Managing Conservator (共同保護者)として指名された場合、両親は、原則として、上述した子の養育に関わる権利を共有します。
その場合、子の住居を決定した親をPrimary Joint Managing Conservator(第一共同保護者)またはCustodial Parentと呼び、他方親はPossessory Conservator(一時占有保護者)またはNon-Custodial Parentと呼びます。
Possessory Conservator は、特定の日時に子と面会交流(Visitation)をする権利や、他方親から、子の健康や教育に関わる情報を得る権利、それらに関する決定がなされる前に連絡を受ける権利(緊急時などは例外)、子に関する資料をレビューする権利、子の医師と相談する権利、子の学校関係者との面談や行事に参加する権利、緊急時に子の保護者として指名される権利、緊急時の子に対する医療処置に同意する権利、子の財産を管理する権利などが認められています。
Conservatorshipの取り決め方
裁判官は、子の最善の利益 (The Best Interest of the Child)を基準に、Conservatorshipの取り決めについて具体的に判断します。The Best Interest of the Childを判断するためには、以下の要素を加味することができるとされていますが、これらの要素以外の事項も加味します。また、裁判官は、子が両親と頻繁な接触を持ち、子のために安全かつ安定した生活環境を与え、子の育成に協力することに重点を置いて判断します。
・子の身体面・精神面での利益
・家庭環境の安定性
・親の人的要素(年齢、性格、安定性、精神面・身体面の健康など)
・現在までの子育てに関する取り決め
・子の意見(12 歳以上の場合)
・兄弟との距離
・親としての適性(過去の DV 行為の有無など) Tex. Fam. Code Section 153
Conservatorshipについては、既に夫婦間で話し合い、面会なども特に問題なく実施している場合には、裁判所で親権申請をしない方もいます。
また、裁判所に申請すると、他方親を怒らせたり、申請者や子に危害が及んだりするおそれがある場合には、あえて裁判所に申し立てる必要はないという判断もあり得ます。
しかし、裁判において親権に関する決定を受けることでのメリットもありますので、まずは現地のテキサス州家族法を専門とする弁護士にご相談ください。
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