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財産分与の考え方
ノースカロライナ州における離婚後の財産分与は、「公平財産分割制(Equitable Distribution)」という考え方に基づいて行われます。
原則として、夫婦の財産は50対50で分けることが公平であると推定されますが、必ずしも等分することが“公平”とは限らず、50対50とならない場合もあります。
夫婦の状況や婚姻期間中の経済的・家庭的な貢献など、さまざまな事情を考慮したうえで、裁判所が「公平」な分配方法を判断します。
財産の種類
ノースカロライナ州では、財産分与の際に財産を大きく次の3つに分類します。
① 夫婦共有財産(Marital Property)
夫婦共有財産とは、婚姻期間中に夫婦の一方または両方が取得した財産を指します。
名義がどちらであるかは関係なく、婚姻中に形成された財産のほとんどが該当します。
代表的な夫婦共有財産の例:
不動産、自動車、銀行口座の預金、退職金・年金の一部など
② 個人資産(Separate Property)
個人資産とは、結婚前から一方の配偶者が所有していた財産や、婚姻中に贈与または相続によって取得した財産を指します。
夫婦共有財産と混ざっていない限り、これらは財産分与の対象外となります。
代表的な個人資産の例:
結婚前に所有していた家や土地、一方の配偶者が誕生日などに相手から受け取った贈り物、結婚中に第三者から受け取った贈与、結婚前または結婚中に家族から受けた相続、婚姻契約などで個人資産として明示された財産など
③ 分割可能財産(Divisible Property)
分割可能財産とは、別居日以降から財産分与が決定される日までの間に発生した財産の増減や所得を指し、財産分与の対象となります。
主な例としては、次のようなものがあります。
・別居日以降に受け取った、婚姻から別居日までの働きに基づくボーナスや給料
・別居日から分与の決定までの間に生じた夫婦共有財産の価値の増減(ただし、配偶者の恣意的な行為による変動を除く)
・夫婦共有財産から発生した利子や配当などの所得
・夫婦共有財産である債務に関する利息や融資手数料の増減
財産分与の方法
夫婦は、婚前契約や財産分与契約などを通じて、夫婦共有財産をどのように分割するかを当事者間で合意することができます。
裁判所は、その合意内容が一方に著しく不利であったり、合意の形成過程に問題がある場合を除き、原則として当事者の合意を承認します。
したがって、当事者間で合意が成立している場合には、その内容に基づいた財産分与が可能です。
一方で、合意が成立しない場合や争いがある場合には、裁判所が財産分与を決定します。
裁判所はまず、別居日時点の財産およびその後に取得または減少した分割可能財産を特定し、
それらを「夫婦共有財産」「個人資産」「分割可能財産」に分類したうえで、それぞれの価値を算定します。
そのうえで、以下のような要素を考慮して、公平な財産分与を判断します。
婚姻期間の長さ、各配偶者の経済的状況、婚姻中の貢献度(家事・育児・収入など)、配偶者扶養の必要性、子どもや親権者の生活上の必要性(家具・住宅の利用など)、共有財産の散逸(どちらかが故意に財産価値を減少させた場合)
このように、ノースカロライナ州の財産分与制度では、単純な「半分ずつ」という考え方ではなく、各夫婦の事情に応じた「公平さ」が重視されています。
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