目次
医療保険とは
「医療保険」は、国の公的医療保険を指す場合と、民間の保険会社等が取扱う医療保険を指す場合と、その両方を指す場合があります。
国の公的医療保険は、国による社会保険制度のひとつです。日本は国民皆保険制度を採用しているため、原則として、全国民が強制的に加入しています。医療保険に加入していれば、医療費の自己負担額が一部(1割や3割等。年齢や収入により自己負担割合は変わります。)で済んだり、高額療養費制度が適用されたり、出産育児一時金を受取ったりすること等ができます。
医療保険の種類
公的医療保険には、公務員が入る共済組合等もありますが、代表的なものとしましては、自営業者などを対象とした「国民健康保険」と、会社員などを対象とした「健康保険」とがあります。国民健康保険は、都道府県が市区町村と共に運営を担っています。
主な対象者は次の通りです。
健康保険は、「協会けんぽ」や「組合健保」と呼ばれるもので、会社員等を対象としています。国民健康保険の運営主体が
都道府県や市区町村であるのに対し、「健康保険」は、全国健康保険協会や企業が設立した健康保険組合が運営を担っています。
【ケース別】変更手続きの流れ
婚姻生活中は、病院にかかる際も、配偶者の方の健康保険組合の保険証だった方も多いと思います。離婚後にどのようになるのかを、簡単に説明します。
自分自身が会社員または公務員の場合
自分自身が会社員または公務員の場合は、そもそも自分自身の健康保険等に加入していることが多いかと思います。その場合は(離婚に伴い姓を変更した場合の届出等を除き)新たな手続は不要です。なお、夫の扶養に入っていた場合は、次に述べるのと同様、新たな保険への加入手続が必要です。
専業主婦(夫の扶養)の場合
専業主婦の方で夫の扶養に入っていた方は、離婚に伴い、元夫の健康保険から外れることになります。
よって、離婚に伴い、(国民)健康保険に加入する手続を行う必要があります。
就職する場合
離婚に際し就職する場合は、新たに自分自身の「健康保険」に加入することになります。勤務先を通じて手続をすることになります。
就職しない場合
離婚後、就職しない場合でも、日本は国民皆保険制度を採用しているため、上記した「国民健康保険」に加入することになります。市区町村の役所で加入手続を行います。原則として、保険証を元夫(元夫の勤務先)に返し、当該保険の資格喪失証明書を貰った上で、国民健康保険に加入する手続をする必要があります。
自営業またはアルバイトの場合
夫が国民健康保険であり、自分自身も国民健康保険であった場合、離婚後も、引き続き「国民健康保険」ということになります(離婚に際し就職すれば健康保険への加入となります。)。夫が世帯主であった場合、自身を世帯主とする手続をとり、自身で保険料を支払っていくことになります。
子どもの医療保険はどうなるの?
夫の被扶養者として加入し続けることも可能
離婚したとしても、子どもにつき保険資格喪失事由に該当しなければ、離婚後も元配偶者が加入する医療保険の被扶養者として加入し続けることが考えられます。(但し、当該保険における資格要件を欠くに至る場合は、本来、そのままにすることは出来ません。また、元夫との間で保険証の授受をしなければならないといったことは起こり得ます。)
母親の医療保険へ移す場合
離婚に際し、子供を母親の保険へ移すこともできます。
離婚に際し、それまで子供が加入していた保険についての「資格喪失証明書」を発行して貰う必要がある場合もあります。
その資格喪失証明書をもって、国民健康保険であれば市区町村において、健康保険であれば勤務先等において、手続きをします。
保険料を支払うことが難しい場合
離婚後、収入の状況等からして保険料を支払うことが難しい場合は、役所に相談するなどして、分割払いや保険料の減額・免除の申請を検討することになります。減免制度を利用するには申請が必要ですので、相談や申請をすることが重要です。
よくあるご質問
新たに子どもを保険へ加入させるために、子どもの従前の保険の「資格喪失証明書」が必要な場合もあります。
また、(元)夫との間で、保険証の返却や資格喪失証明書の交付といったやり取りをすることも多く、そういった事柄につき、依頼している弁護士を通じて行うことも少なくありません。
典型的には、元夫が健康保険であり、離婚後に国民健康保険に加入する場合です。国民健康保険は、他の医療保険制度に加入していない人を対象とした制度です。そのため、他の医療保険(例:元夫の会社の健康保険)の資格を喪失したことを証明する必要ということになります。
離婚後の生活に関するご相談は丸の内ソレイユへ
離婚無料相談実施中
- 離婚の話し合いをするに当たって、直近ですべきことがわかるようになります
- 将来の経済的な生活設計(経済面、子どもの養育面など)を視野に入れた上で、
ご相談者様にとって最適の方法をご提案します。 - ご相談者のお話を丁寧に聞き、「心」の満足を得ていただくことができます