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婚姻費用がもらえないケースとは?払ってくれないときの対処法も解説【弁護士監修】

婚姻費用がもらえないケースとは?払ってくれないときの対処法も解説【弁護士監修】

「別居中の夫から生活費が振り込まれず、今月の支払いが厳しい」
「相手に不貞行為があった場合でも、婚姻費用はもらえないの?」
このような経済的な不安や疑問を抱えていませんか。
別居中の生活費である「婚姻費用」は、原則として請求できる権利です。しかし、夫婦の状況や収入バランスによっては、請求が認められない「例外的なケース」が存在します。
この記事では、婚姻費用がもらえない具体的なケースや支払いを拒否された際の法的な対処法を、離婚問題に精通した弁護士が解説します。

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【基礎知識】婚姻費用とは?別居中でも請求できる生活費

まずは婚姻費用の基本的な定義と、金額が決まる仕組みを正しく理解しましょう。これを知ることで、ご自身が「もらえる立場」にあるのかを判断しやすくなります。

婚姻費用の金額の決まり方

婚姻費用とは、夫婦が通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことです。民法第752条 には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定められており、夫婦間には相互扶助義務があります。

たとえ別居中であっても、法律上の夫婦である限り、収入が多い側(義務者)は少ない側(権利者)を支える義務があります。

婚姻費用の金額を算出する際に考慮される要素は以下のとおりです。

  • 義務者(払う側)の年収
  • 権利者(もらう側)の年収
  • 子どもの人数と年齢

実務上は、裁判所が令和元年12月に公表した改定版「養育費・婚姻費用算定表 」を基準に決定するのが一般的です。

関連記事:養育費算定表の見方を弁護士が徹底解説|計算例・金額が変動するケースも紹介

婚姻費用と養育費の違い

「婚姻費用」とよく混同されるのが「養育費」です。両者は「誰のための費用か」という点で明確に異なります。

項目 婚姻費用 養育費
対象 配偶者 + 子ども 子どもだけ
請求期間 別居開始 〜 離婚成立(または別居解消) 離婚成立 〜 子どもが成人(または大学卒業)
金額の目安 配偶者の生活費を含むため高額になりやすい 子ども分のみのため、婚姻費用より安くなる

婚姻費用には配偶者の生活費が含まれるため、離婚後に受け取る養育費よりも金額が高くなります。そのため、離婚が成立するまでの間、婚姻費用を適正に受け取ることは非常に重要です。

関連記事:離婚時に知っておきたい養育費の基本|相場・期間・取り決め方法を解説

婚姻費用がもらえない可能性がある4つのケース

婚姻費用は原則として支払い義務がありますが、特定の条件下では請求が認められない、あるいは減額されるケースが存在します。

「当然もらえるもの」と思い込んでいると、予期せぬ反論を受けるかもしれません。まずは、支払いが制限される代表的な4つのパターンを理解し、自身の状況が当てはまるか確認しましょう。

ケース1:請求する側が「有責配偶者」である(不倫・DVなど)

請求する側(権利者)に不貞行為やDVなどの有責性があり、別居や婚姻関係破綻の主たる原因を作った場合、婚姻費用のうち、配偶者自身の生活費部分について、信義則違反を理由に減額または制限される可能性があります。

費目 請求可否 理由
配偶者の生活費 不可 信義則に反するため
子どもの養育費 可能 子どもに親の責任はないため

ただし、有責性の程度や別居に至る経緯等の個別事情により判断が異なるため、一律に請求が認められないわけではありません。

また、権利が制限されるのはあくまで「配偶者自身の生活費」に限られます。例えば、請求する側が有責配偶者であっても、「養育費相当分」については制限なく請求可能です。

ケース2:請求する側の収入が相手(支払う側)より多い

婚姻費用は、収入の多い側が少ない側を扶助する制度です。もっとも、収入が多い側に子どもがいる場合は、収入が少ない側に婚姻費用の請求ができる可能性はあります。自身の年収が相手より高い場合は、裁判所の算定表を用いてシミュレーションを行い、請求の余地があるか慎重に検討する必要があります。

ケース3:すでに十分な生活費を受け取っている(同居中など)

別居中であっても、実質的に十分な生活費が渡っている場合、追加の請求は認められません。婚姻費用の分担は、金銭の振り込みに限定されないためです。

すでに相手が負担している金額が相場を満たしていれば、支払い義務は果たされていると判断されます。

具体的には、以下のようなケースが「支払い済み」とみなされる可能性があります。

  • 相手が家賃や光熱費を直接口座引落しで支払っている
  • 相手名義の家族カードで日々の生活費を決済している
  • 算定表の相場を超える金額が既に毎月振り込まれている

生活費の二重取りはできないため、現状の受取額や相手の負担額を合算し、不足がある場合のみ差額を請求できると考えましょう。

ケース4:相手が失業中・病気などで支払い能力がない

相手が病気や怪我、リストラなどで収入が途絶え、客観的に支払い能力がないと認められる場合、実際に支払える婚姻費用の金額はゼロまたは著しく低額になる可能性があります。収入がない以上、物理的に支払いができないためです。

ただし、扶助義務自体が消滅するわけではなく、将来的に収入が回復した場合には支払義務が復活します。

また、「婚姻費用を支払いたくない」という理由で意図的に退職した場合や、働く能力があるのに働かない場合は例外です。

以下のようなケースでは、実際の収入がゼロでも支払い能力があるとみなされます。

  • 正当な理由のない自発的な退職
  • 健康で稼働能力があるのに無職の状態を続けている
  • 所得を不当に低く申告している

このような場合、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 」(通称:賃金センサス)などを基に「潜在的稼働能力」があると判断され、推計年収で算定されることもあります。

婚姻費用をもらえないケースにおける3つの選択肢

たとえ婚姻費用の支払いが認められない状況であっても、当面の生活を守る手段が完全に断たれたわけではありません。

経済的な困窮を避けるためには、視点を変えて別の権利を行使したり、公的な支援制度を活用したりすることが重要です。

ここでは、現実的に取り得る3つの選択肢を具体的に解説します。

1. 子どものための「養育費相当分」だけでも請求する

前述のとおり、夫婦間の事情で婚姻費用が制限される場合でも、子どもの権利は別個に守られなければなりません。

ご自身が有責配偶者であるなど、配偶者としての生活費請求が難しい局面では、ターゲットを「養育費相当分」に絞って交渉を進めるのが得策です。子どもに罪はないという理屈は、調停や審判の場でも重視されます。

請求の際は、裁判所の「養育費・婚姻費用算定表 」に基づいた金額を提示してください。客観的な基準を用いることで、相手方も感情的な理由だけで支払いを拒否しにくくなるでしょう。

2. 早期に離婚を成立させ「財産分与」を確実に確保する

婚姻費用が受け取れない状態で別居を継続することは、経済的な疲弊を招くだけでなく、将来の再出発を遅らせる要因にもなりかねません。

特に、ご自身が有責配偶者で状況の好転が見込めない場合は、早期に離婚を成立させる方向へ戦略を切り替えるべきです。離婚成立によって、以下のようなまとまった資産や権利を確保できる可能性があります。

  • 財産分与:婚姻期間中に築いた資産の2分の1を受け取る
  • 年金分割:相手方の厚生年金記録の分割を受ける
  • 養育費:離婚後の子どもの生活費を確保する

不毛な長期戦を避け、確実な資産を得て新生活の基盤を整える方が、長い目で見てメリットが大きいといえるでしょう。ただし、有責配偶者からの離婚請求は原則認められないので、注意が必要です。

関連記事:離婚時の財産分与とは?対象になるもの・ならないものや有利に進めるコツを弁護士が解説

3. 利用できる公的支援(児童扶養手当など)を申請する

相手方に支払い能力がない、あるいは頑なに拒否される場合は、公的なセーフティネットの活用を検討してください。

「離婚後でないと支援を受けられない」と誤解されがちですが、一定の要件を満たせば別居中でも受給可能な手当や助成制度は存在します。主な支援制度は以下のとおりです。

制度名 概要 対象(例)
児童手当 中学生以下の子どもへの給付 実際に監護している親(受給者変更が必要)
就学援助 学用品費や給食費の補助 経済的に困窮している世帯
生活保護 健康で文化的な最低限度の生活保障 資産や能力を活用しても生活できない場合

特に児童手当については、振込先を世帯主(夫)から実際に監護している親(妻)へ変更できる場合があります。

ご自身の状況でどの制度が利用できるか、受給要件や必要書類について、まずはお住まいの自治体の福祉窓口へ相談してみましょう。

婚姻費用を払わない相手への対処法【強制執行までの3ステップ】

相手が話し合いに応じない、あるいは支払い能力があるのに拒否するといった場合、当事者間の交渉に見切りをつけ、法的手続きへ移行すべきです。

感情的な対立で消耗するのではなく、制度に則って淡々と権利を行使しましょう。ここでは、未払いを解決し強制的に支払わせるための具体的な手順を3ステップで解説します。

ステップ1:内容証明郵便で「請求の意思」を証拠に残す

口頭やメールでの請求を無視される場合、まずは「内容証明郵便」を送付して請求の意思を公的な記録として残します。

郵便局が「いつ、誰が、誰に、どのような内容を送ったか」を証明してくれるため、トラブルを防ぐ強力な証拠となります。(参照:日本郵便株式会社|内容証明

内容証明郵便を利用する主なメリットは以下のとおりです。

内容証明郵便のメリット 詳細
心理的プレッシャーを与える 法的措置を辞さない本気度が伝わり、相手が任意での支払いに応じる可能性が高まる
支払い始期の確定 後の調停や審判において「この時点から請求していた」という証明になり、過去分として認められやすくなる

ご自身で作成することも可能ですが、弁護士名義で送付することで、相手に与えるインパクトはより強固なものになります。

ステップ2:婚姻費用分担請求調停・審判を申し立てる

内容証明郵便を送っても反応がない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てます。

婚姻費用分担請求調停とは、調停委員という中立的な第三者が間に入り、双方の収入資料(源泉徴収票や課税証明書など)に基づき、適正な婚姻費用を算出・調整するものです。

調停の手続きは、その結果によって以下の2通りに分かれます。

調停の結果 その後の流れ
調停成立 双方が合意した場合、調停調書が作成され、判決と同じ効力を持つ
調停不成立 合意に至らない場合、自動的に審判手続へ移行し、裁判官が強制的に金額を決定する

審判になれば、相手がどれだけ支払いを拒否しても、裁判所の権限で法的な支払い命令が下されることになります。

参照:裁判所|婚姻費用の分担請求調停

ステップ3:強制執行(給与・預金の差押え)

調停や審判で支払いが確定したにもかかわらず、相手が約束を破る場合は「強制執行」の手続きを行います。

裁判所に申し立てることで、相手の財産を強制的に差し押さえ、未払い分を回収することが可能です。主な差押えの対象と特徴は以下のとおりです。

差押えの対象 特徴
給与 婚姻費用債権については、民事執行法第152条第2項により差押禁止額の特例が適用され、通常の債権より広い範囲で差押えが可能一度手続きすれば、将来の分まで毎月自動的に回収できる。
預貯金 銀行口座にある残高から回収する。
一度きりの回収となるため、残高が不足していれば全額回収できない。

特に給与の差押えは、相手が退職しない限り継続的に回収できるため、非常に実効性の高い手段です。ただし、手続きには相手の勤務先や口座情報を把握している必要がある点に留意しましょう。

婚姻費用がもらえないケースに関するよくある質問

別居後、実家暮らしでも婚姻費用はもらえますか?

実家暮らしであっても、別居中の配偶者に対して婚姻費用を請求することは可能です。親からの援助はあくまで好意によるものであり、法的な扶養義務は依然として配偶者にあるからです。

ただし、実家に住むことで「住居費(家賃)」の負担がない場合、その分が考慮され、受け取れる金額が相場より多少減額されるケースがある点には留意してください。

婚姻費用の妥当な金額はいくらですか?

裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」に基づき、夫婦双方の年収と子どもの年齢・人数によって算出されます。一般的な目安として、以下の条件のケースを見てみましょう。

  • 夫(支払う側):年収600万円(給与)
  • 妻(受け取る側):年収100万円(給与)
  • 子ども:1人(5歳)

この条件で裁判所の算定表を参照すると、婚姻費用は「月額8万円〜10万円程度」の範囲が一つの目安です。

ただし、実際の金額は個別の事情(実費負担の内容、特別な支出の有無等)により変動する可能性があります。(参照:裁判所|平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

婚姻費用は過去に遡って請求できますか?

原則として、過去に遡って請求することはできません。裁判所実務では、「請求の意思を明確にした時点」からの支払いしか認められない傾向にあります。

別居してから長期間放置すると、その期間分の生活費は受け取れなくなってしまいます。別居開始後は、速やかに内容証明郵便を送るか調停を申し立て、請求の始期を確定させることが重要です。

相手に借金がある場合、婚姻費用はもらえないのでしょうか?

相手に借金があっても、原則として支払い義務が免除されたり、金額が減らされたりすることはありません。ギャンブルや浪費による個人的な借金よりも、家族の生活費である婚姻費用の支払いが優先されるためです。

相手に「借金返済で余裕がない」と婚姻費用の支払いを拒否されても、法的には通用しない言い訳です。相手の言葉を鵜呑みにせず、算定表に基づいた正当な金額を主張しましょう。

まとめ|婚姻費用の請求やトラブルはすぐに弁護士へ相談しよう

婚姻費用は、あなたとお子さまが安心して別居生活を送るための重要な権利です。しかし、相手が支払いを拒否したり、不当に低い金額を提示したりする場合、個人の力だけで交渉を進めるのは精神的にも大きな負担となります。

「相手が怖くて請求できない」「今の金額が妥当なのか自信がない」といった状況であれば、決して一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で離婚問題に精通した弁護士への相談がおすすめです。

弁護士が介入することで、相手との直接交渉を避けながら、適正な婚姻費用の獲得に向けてスムーズに手続きを進められます。

婚姻費用の請求や未払いトラブルでお悩みの方は、離婚問題に強い丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。

女性の初回相談は無料となっておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。

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