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【一覧表あり】財産分与の対象にならないものとは?見分け方や特有財産の主張方法を弁護士が解説

【一覧表あり】財産分与の対象にならないものとは?見分け方や特有財産の主張方法を弁護士が解説

「離婚時にどの財産を分与の対象にすべきか判断できない」
「結婚前の貯金や相続でもらった財産も分与対象になるのだろうか」
離婚を考える場面で、このような疑問や不安を抱く方は少なくありません。財産分与の仕組みは複雑なため、対象になる財産とならない財産の線引きが誤解されがちです。
財産分与の対象外になるものを理解すれば、不当な主張に振り回されず、冷静に対応できるようになるでしょう。
本記事では、財産分与の対象外になるものや特有財産の主張方法、判断が難しい財産を分与する際の注意点を解説します。

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この記事でわかること

  • 財産分与の対象にならないもの
  • 財産分与の対象になるもの
  • 財産分与の対象になるかどうか判断が難しい財産と注意点
  • 財産分与の対象外だと主張する手順3ステップ
  • 財産分与に関する問題を弁護士に相談するメリット

ぜひ最後まで読んで、トラブルを未然に防ぐ準備を整えましょう。

離婚問題には、離婚後の人生やお子さまの今後、配偶者との関係悪化など、さまざまな要素が複雑に絡み合います。財産分与や離婚の問題で迷ったときは、離婚分野に強く年間900件以上の相談実績の丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。経験豊富な弁護士が、あなたのお気持ちやお悩みに丁寧に寄り添い、適切な解決策をアドバイスいたします。

財産分与とは?分ける財産と分けない財産の違い

離婚時の財産分与では、必ずしもすべての財産が対象になるわけではありません。

対象となるのは、婚姻中に夫婦が協力して築いた「共有財産」のみです。親からの相続財産などの「特有財産」は、原則として分与の対象外となります。

まずは財産分与の基礎を正しく理解し、公平な解決への第一歩を踏み出しましょう。

財産分与とは夫婦が婚姻期間中に築いた共有財産を分ける制度

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を離婚時に分け合う制度です。

民法第768条1項では、離婚した夫婦の一方は、他方配偶者に対して財産分与を請求できると定められています。

(財産分与)

第768条1項

協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。

引用:民法|第768条1項

この制度は「生活を共にした夫婦が築いた財産は共同の成果である」という考え方に基づいています。

財産形成への直接的な収入だけでなく、家事や育児などの無償労働も同等に評価されるため、収入の有無・大小にかかわらず分与が認められます。

財産分与は、大きく分けて以下の3つの目的を果たすために進められます。

  • 夫婦が協力して築いた財産を公平に清算するため
  • 離婚後の生活保障のため
  • 離婚原因をつくったことへの損害賠償のため

基本的には、婚姻期間中に築いた財産の公平な分配を目的としていますが、生活保障や慰謝料的な意味合いで進められる場合もあります。(参照:法務省|財産分与

関連記事:離婚時の財産分与とは?対象になるもの・ならないものや有利に進めるコツを弁護士が解説

共有財産と特有財産の違い

財産分与を進める前に、共有財産と特有財産の違いを理解しておきましょう。共有財産と特有財産の特徴は以下のとおりです。

財産の種類

内容

共有財産

婚姻期間中に得た収入や貯蓄、不動産などの財産

特有財産

婚姻前から所有していた預貯金や不動産、親族からの相続や贈与によって取得した財産

共有財産は、婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産です。例えば、専業主婦(夫)が家事や育児を担うことで他方配偶者名義の預貯金が増加したという場合も、夫婦の協力によって形成された財産なので、その預貯金は夫婦共有財産となります。

一方、特有財産とは、婚姻前から所有していた財産などの夫婦の協力とは無関係に取得・形成された財産です。夫婦の共同生活によって増えた財産ではないため、原則として分与の対象にはなりません。

しかし、実際に財産分与を進める際は、特有財産と共有財産が混在するケースが少なくありません。

特有財産として財産分与の対象外であることを主張するには、その財産の取得時期や資金の出所などを明確に示す証拠が不可欠です。

財産分与の割合は原則夫婦で2分の1ずつ

財産分与の割合は、夫婦がどのように収入を得ていたかに関係なく、原則として2分の1ずつです。(参照:法務省|財産分与

これは、収入を得る側だけでなく、家事や育児を担う側の貢献も同等に評価されると考えられているためです。

専業主婦(夫)であっても、家事労働によって財産形成に寄与したとみなされるため、分与の権利を持ちます。

ただし、夫婦のどちらかがその特異な能力によって財産形成の大部分を担っていたようなケースなどでは、割合が調整される場合があります。

また、特別な事情が生じていなくても、夫婦の合意があれば割合を自ら変更することも可能です。

離婚後の生活保障や慰謝料としての財産分与であれば、その事情を考慮して金額等を決めるケースもあります。

財産分与の対象にならないもの【一覧】

財産分与の対象にならないものは、主に以下のような財産です。

  • 婚姻前から保有していた財産(預貯金・不動産・車など)
  • 相続・贈与で取得した財産
  • 個人的な理由で負った借金(ギャンブル・保証債務など)
  • 別居後に取得した収入や財産
  • 特有財産で購入した財産
  • 夫婦どちらかが経営している会社の財産(法人名義)
  • 子ども名義の財産(名義預金は例外あり)
  • 夫婦間の合意で対象外とされた財産

公平な分与を目指すには、特有財産と共有財産を適切に区別することが大切です。

「何が分与対象外なのかわからない」と悩んでいる方は参考にしてみてください。

婚姻前から保有していた財産(預貯金・不動産・車など)

婚姻前から所有していた財産は特有財産とされ、財産分与の対象外です。(民法第762条1項

(夫婦間における財産の帰属)

第762条1項

夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。

引用:民法|第762条1項

独身時代に積み立てた預貯金、購入した車や不動産などは、夫婦が協力して築いた財産ではないため、清算の必要はありません。

婚姻前の財産は対象外だと主張するときは、通帳や契約書で購入日・契約日などを確認しておきましょう。

ただし、婚姻前に取得した財産であっても、婚姻中にローンの返済を夫婦で行った場合や、その財産が婚姻中の収入によって増加した場合には、共有財産と見なされる可能性があります。たとえば、結婚前に購入した不動産のローンを婚姻中に共同で返済していた場合は、その共同で返済した部分に相当する価値は分与の対象になる可能性があります。

相続・贈与で取得した財産

相続や贈与で取得した財産は、原則として夫婦の協力によるものではないため財産分与の対象外です。

具体的には、親から相続した土地や、親族から贈与された住宅資金などです。夫婦が共同生活を送っていても、これらは原則「一方の固有の権利」として認められるため、財産分与の対象外となります。

もっとも、財産分与の場面で「相続で得た財産だから対象外」と認められるには、客観的な証拠を提示する必要があります。

個人的な理由で負った借金(ギャンブル・保証債務など)

夫婦の生活に関係のない借金は、財産分与の対象から外れます。

ギャンブルによる負債や浪費は、婚姻生活の維持とは無関係と判断されるため、原則として財産分与の対象外です。知人や親族の借入に対する保証債務のように、夫婦の生活に関係なく負った債務も原則対象外になります。

一方、住宅ローンや生活費のための借入は「夫婦の共同生活に必要だった」と認められるため対象に含まれます。

借金の扱いは「婚姻生活に必要な支出だったかどうか」で線引きされます。財産分与で借金が問題となる場合は、支出目的を証明する領収書や契約書を確認することが大切です。

別居後に取得した収入や財産

別居後に夫婦それぞれが得た収入や購入した財産は、夫婦が共同で築いたものではないため、分与の対象には含まれません。

財産分与の対象となるものは、あくまでも夫婦が同居し、協力して築き上げた「共有財産」です。しかし別居後はその協力関係が終了されていると見なされるため、財産分与の対象外になります。

相手と認識のずれがあるとトラブルに発展しやすいため、別居開始時点を明確に示す資料を用意する必要があります。

特有財産で購入した財産

婚姻前の貯金や相続財産など、特有財産を原資として購入した財産は分与対象から外れます。

具体的には、独身時代の預金で買った株式や、相続した資金で建てた不動産などが該当します。

ただし、特有財産と婚姻中の収入(共有財産)を合わせて購入した財産の場合は注意が必要です。

たとえば、婚姻前の貯金を頭金にして不動産を購入した場合、不動産全体の価値のうち、頭金の出資割合に相当する部分は特有財産として考慮されます。

貢献度に応じた複雑な計算によって特有財産と判断できる場合もありますが、特有財産と共有財産が混じってしまい区別不可能な状態となってしまっている場合には、共有財産と判断されてしまう場合もあります。
そのため、特有財産の主張を成立させるには、資金の流れを示す通帳や契約書の提示などによって十分な説明を行うことが不可欠です。

夫婦どちらかが経営している会社の財産(法人名義)

法人名義の財産は、会社そのものに属するため、財産分与の対象には含まれません。会社の預金や不動産は法人格に帰属し、経営者個人の財産ではないためです。

ただし、経営者が保有する会社の株式が、婚姻中の夫婦の協力によって価値を形成・維持してきたものである場合、その株式は共有財産とみなされ、財産分与の対象になります。

つまり、会社の株式を分与することによって、実質的に会社が築いた財産を公平に分けることになるのです。

子ども名義の財産(名義預金は例外あり)

子ども名義の財産は、原則として子どもの所有物であり、財産分与には含まれません。

たとえば、子どもがもらったお祝い金を子ども名義の口座に積み立てている場合は、子どもの固有の財産とみなされます。

一方で、以下のようなケースでは、共有財産と判断される場合があります。

  • その口座から夫婦が自由に金銭を出し入れしていた場合
  • 子ども名義ではあるものの、実質的には夫婦の管理下である「名義預金」の場合

夫婦間の合意で対象外とされた財産

夫婦間の話し合いで、特定の財産を分与から除外すると合意すれば、原則として財産分与の対象外となります。

ただし、曖昧な合意では、財産分与の対象外としたのかそうでないかをめぐって将来的に争いに発展するリスクがあります。そのため、口約束ではなく離婚協議書や公正証書で合意内容を書面化しておきましょう。

財産分与の対象になるもの

ここまで財産分与の対象外となるものを確認しましたが、対象となる財産を正しく把握するのも、トラブルを防ぐ上で大切です。

夫婦いずれの名義の財産であっても、財産分与の基準時(別居時または離婚時)に有している財産は財産分与の対象となります。

主に対象になる財産は、以下のとおりです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 保険
  • 自動車
  • 株式、投資信託、FXなどの金融資産
  • 住宅ローンや生活費のための借金(夫婦の債務)

共有財産に該当するものを理解し、公平な分与を目指しましょう。

夫婦で協力して貯めた預貯金(名義は問わない)

夫婦で協力して貯めた預貯金は、財産分与の対象になります。名義が夫や妻のどちらであっても、婚姻期間中に夫婦の収入から積み立てられたものであれば、共有財産と見なされます。

共働きによる収入はもちろん、片方が家事や育児を担うことで家庭を支え、貯蓄が形成された場合も同様です。名義だけで「自分のもの」と主張することは認められません。

公平な分配を行うためには、財産分与の基準時(別居時または離婚時)の残高を確認する必要があります。婚姻前からの資産や相続した財産などの特有財産と混在しないよう、証拠を整理しておきましょう。

婚姻期間中に購入した不動産や自動車

婚姻期間中に取得した不動産や自動車も、財産分与の対象となります。

たとえ購入資金を一方の名義の預金等の中から負担したとしても、婚姻期間中に形成された財産である以上、夫婦の協力によって得られた成果と評価されます。

住宅ローンが残っている場合は、住宅の資産価値からローン残高(負債)を差し引いた「純資産」を基準に清算します。不動産は金銭に換算しにくいため、売却して分ける、どちらかが住み続けて相手に代償金を支払うなど、分与方法はさまざまです。

自動車についても同様に、婚姻中に夫婦の協力によって取得されたと判断されるものは共有財産となります。

株式、投資信託、FXなどの金融資産

株式や投資信託、FXの証拠金などの金融資産も、婚姻期間中に形成されたものであれば、財産分与の対象です。

口座名義が一方の配偶者だけであっても、運用資金の出所が夫婦いずれかの収入である場合は共有財産と扱われます。

評価方法は離婚時点の時価で算出され、別居時点以降の増加分(含み益)も対象に含まれます。

夫婦で平等に資産を分けるためにも、金融商品の明細や証券会社の取引履歴を整理し、正確に価値を把握する必要があります。

住宅ローンや生活費のための借金(夫婦の債務)

財産分与はプラスの財産だけでなく、夫婦が共同で負担した債務も含めて清算する制度です。

したがって、住宅ローンや生活費の補填として借り入れたローンは、夫婦の生活を支えるために負った債務と考えられ、財産分与の対象となります。

住宅ローンが残っている場合は、残債を差し引いた上で不動産の価値を計算し、清算方法を決めるのが一般的です。

生活費のためのクレジットカード利用や消費者金融からの借入れも、同様に扱われます。

 

ただし、ギャンブルや浪費など個人的な理由で作った借金は対象外です。

借金が共有か特有かを区別するためには、契約書や利用明細などで支出目的を明らかにすることが必要です。

財産分与の対象になるかどうか判断が難しい財産と注意点

財産分与では対象と対象外を区別するのが原則ですが、中には判断が難しい財産もあります。判断が難しい財産としては、以下のようなものがあります。

  • 退職金・企業年金|婚姻前・別居期間中に相当する分は対象外となる
  • 保険契約|解約返戻金の有無・掛け金を支払った人によって異なる

これらは取得時期や払込状況によって評価が異なるため、事前に何に注意すべきなのか押さえておく必要があります。

1.退職金・企業年金|婚姻前・別居期間中に相当する分は対象外となる

退職金や企業年金は、婚姻期間中に積み上げられた部分だけが財産分与の対象です。

つまり、結婚前の勤務期間や別居後に積み上げたものは、夫婦の共同生活によって築かれた財産ではないため対象外とされます。

たとえば、在職30年のうち婚姻期間が10年であれば、その10年に相当する部分が対象部分とみなされます。算定にあたっては、特有となる範囲・金額を特定するために、会社から発行される退職金の計算書や退職金規程、企業年金の加入記録、在籍期間を証明する書類などが必要になります。

ただし、退職金は「将来受け取る予定」にすぎず、その金額が確定しないケースも多いため、夫婦で争いになりやすいのが特徴です。

迅速な解決を図るために、婚姻期間と積立額との関係を証明できる資料を早めに整理しておきましょう。

2.保険契約|解約返戻金の有無・掛け金を支払った人によって異なる

生命保険や学資保険などの契約も、内容によって分与対象になるかどうかが変わります。

解約返戻金がある生命保険は、財産的価値が認められるため、離婚時に公平に分け合う必要があります。

一方、掛け捨て型の保険は返戻金がなく、財産的価値を持たないため、分与の対象にはなりません。

また、掛け金の支払いが、独身時代の貯金や親からの相続資金によるものであれば特有財産と見なされる場合があります。しかし、婚姻中の収入から払っていた場合は共有財産として扱われます。

このように、保険契約は状況によって扱い方が変わるため、分与を考える際は、保険証券や払込記録を確認し、どの部分が夫婦で築いた財産なのかを明確にしておきましょう。

「何が財産分与の対象になるのか判断できない」「元配偶者とトラブルになりそう」とお悩みの方は、丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。

離婚問題に強い弁護士が、あなたのお悩みに寄り添いながら最適な選択肢を提案いたします。まずは話し合いによる合意を目指し、戦略的に交渉を進めてまいります。公平で納得のいく財産分与を目指すために、ぜひ一度ご相談ください。

財産分与の対象にならないことを主張する手順3ステップ

財産分与の協議を円滑に進めるには、感情的なやり取りではなく、法的な根拠や客観的な証拠を基に冷静に判断を重ねる必要があります。

財産分与の対象にならないことを主張する手順は、大きく分けて以下の3ステップです。

  • ステップ1. まずは相手の主張の根拠を冷静に確認する
  • ステップ2. 特有財産であることを示す証拠を提示する
  • ステップ3. 当事者間での解決が困難な場合は弁護士に相談する

不利な立場で分与が進まないよう、あらかじめステップを確認しておきましょう。

ステップ1. まずは相手の主張の根拠を冷静に確認する

相手が、例えば、「開示されていない財産があるのでそれも分与すべきだ」などと主張する場合、それが実際にある財産なのか、根拠が明確にあるものなのかなどを確認します。

感情的に反発すると、さらにトラブルに発展して話し合いが難航する可能性もありますので、仮に存在しないものについて疑いをかけられているような場合でも、淡々と否定するなどあくまで冷静に対処することが重要です。。

ステップ2. 特有財産であることを示す証拠を提示する

相手の主張が、存在する夫婦名義の財産を財産分与の対象とすべきというものであり、それに対して、特有財産であるから対象外であると反論したいという場合には、こちらから特有財産であることを証明する証拠を提示します。

民法第762条2項では、夫婦のどちらが所有しているのか明確でないものは、共有財産と推定する、と定められています。

(夫婦間における財産の帰属)

第762条2項

2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

引用:民法|第762条2項

そのため、夫婦名義の財産について特有財産だと主張する場合には、その主張をする側が共有でないことを積極的に証明しなければならないことになります。客観的根拠に乏しいまま曖昧な主張を繰り返すだけでは、特有財産と認められなくなってしまいますので、特有財産であることを裏付ける証拠を集め、説明を行うことが極めて重要です。

証拠として有効なものの例は、以下のとおりです。

財産の例

特有財産であることを示す資料の例

婚姻前の預貯金

  • 通帳の入出金履歴
  • 残高証明

相続や贈与による財産

  • 遺産分割協議書
  • 贈与契約書
  • 不動産登記事項証明書

退職金

  • 就業規則
  • 退職金規程
  • 在籍期間の証明書類

生命保険・学資保険

  • 保険証券
  • 払込記録

これらの証拠を集め、説明を尽くすことにより、財産分与で「共有財産」と誤って扱われるリスクを軽減できます。なるべく早く証拠を集め、不利益を被らないようにしましょう。

ステップ3. 当事者間での解決が困難な場合は弁護士に相談する

当事者同士での話し合いが行き詰まったときは、弁護士に相談するのが最善の方法です。

財産分与では感情的な対立が起きやすく、当人同士での協議では冷静な判断が難しくなります。

弁護士に依頼すれば、特有財産か共有財産かを証拠に基づいて整理し、適切な主張の立て方や交渉の進め方をアドバイスしてもらえます。協議を有利に進めるためにも、離婚問題に強い弁護士への相談を検討しましょう。

また、特有財産だと証明する証拠が十分にそろわなければ、共有財産として分与されてしまう可能性があります。そのようなときは、弁護士に相談して証拠収集をサポートしてもらうのも一つの方法です。

無理に話し合いを続けて関係が悪化する前に、専門家の力を借りて円滑な解決を目指しましょう。

財産分与の対象にならないことを主張するなら弁護士に依頼!

前述のとおり「財産分与の対象になる・ならない」をめぐって対立した場合は、経験豊富な弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談し、財産分与の対象外だと主張してもらうメリットは、以下のとおりです。

  • 法的根拠や事実関係をもとに財産分与の対象となるかどうかを判断してもらえる
  • 特有財産の証拠の集め方や交渉の進め方について的確なアドバイスを得られる
  • 調停や訴訟に進んだ際にも代理人として対応してもらえる

円満解決に向けて、弁護士が間に入るメリットを確認しましょう。

1.法的根拠や事実関係をもとに財産分与の対象となるかどうかを判断してもらえる

財産分与では、特有財産か共有財産かをめぐって意見が食い違うケースが多くあります。

婚姻期間中に形成した財産は分与対象になりますが、婚姻前から所有していた財産などは対象外と判断されます。しかし、実際には明確な線引きが難しく、分与に含むのか含まないのかで迷う場面が多いのです。

弁護士に相談すれば、法律に基づいてどの財産が分与の対象になるのかを整理してもらえます。相手側の主張の妥当性も検討してくれるため、交渉を有利に進めやすくなるでしょう。

法律的な裏付けを示せば、単なる感情論に終わらず、納得感のある解決を目指すことが可能です。

2.特有財産の証拠の集め方や交渉の進め方について的確なアドバイスを得られる

特有財産と認めてもらうには、客観的な証拠をそろえることが欠かせません。

たとえば、婚姻前からの預貯金であれば通帳の履歴や残高証明、相続や贈与の場合は遺産分割協議書や登記事項証明書といった書類が必要です。

しかし、どの資料をどのように提示すれば良いのか、自分ひとりで判断するのは難しいケースも多いでしょう。

弁護士に相談すれば、証拠の収集方法や整理の仕方を具体的にアドバイスしてくれます。交渉の手順や主張の仕方も教えてくれるため、感情的な衝突を避けつつ、根拠に基づいた冷静なやり取りが可能になります。

無駄な争いを防ぎながら自分の権利を守るためには、弁護士による専門的なサポートが不可欠です。

3.調停や訴訟に進んだ際にも代理人として対応してもらえる

当事者同士の話し合いで合意できない場合、家庭裁判所での調停・訴訟に発展するケースがあります。

調停では、裁判官や調停委員の前で冷静に主張を整理し、必要な証拠を提出しなければなりません。

しかし、自力で対応するのは労力と手間がかかります。

また、訴訟に進めばさらに複雑な書面作成や法廷対応が必要となり、法的な専門知識なしで有利に進めるのはきわめて困難です。

弁護士を代理人として依頼すれば、調停段階から適切な主張を展開し、訴訟では法的手続きを一任できます。

精神的・実務的な負担を大幅に軽減し、納得できる解決を実現しやすくなるでしょう。

財産分与を進めるにあたって不安を抱えている方は、丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。

離婚問題は精神的な負担が大きく、一人で抱え込んで不安になる方も少なくありません。

当事務所は、まず丁寧にお話しを伺い、生活設計を見据えた上で最適な解決策を一緒に考えます。

どのようなお悩みでも構いませんので、離婚問題で不安を抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

財産分与で対象にならないものに関するよくある質問

財産分与をしなくていいケースはありますか?

財産分与が不要となるケースもあります。代表的なのは以下の4つの状況です。

  • 夫婦が協力して築いた財産がそもそも存在しない場合
  • 夫婦双方が「財産分与は行わない」と合意している場合
  • 財産分与の請求がないまま、離婚成立から2年が経過した場合
  • 負債が財産より大きい場合(債務超過)

上記のケースでは「そもそも分ける財産がない」「請求権が消滅した」といった事情があるため、財産分与が不要となります。

ただし、財産より借金が多い(債務超過)場合、誰がその借金を返済していくのかという問題は残ります。

また、口約束だけで分与を不要とすると、後から「言った・言わない」のトラブルになりかねません。後々の紛争を避けるためにも、財産分与をしないという合意も含め、内容は必ず離婚協議書などの書面で残し、トラブルが生じた際は早めに弁護士に相談しましょう。

また、財産分与は、離婚成立から2年が経過すると裁判所に申立てて請求することができなくなります。(参照:法務省|財産分与

この期間制限は法的には「除斥期間」であるため、「時効」とは異なり内容証明通知などによって停止・延長することができません。請求する側は、期間内に調停など具体的な行動を起こす必要があります。

なお、2024年5月の民法改正により、上記の財産分与請求権の行使期間は「離婚後2年」から「離婚後5年」に延長されており、この改正法は2026年5月までに施行予定となっています。

財産分与をしない方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

>関連記事:離婚で財産分与しない方法はある?減額の交渉方法や払わないリスクを弁護士が解説

タンス貯金は財産分与の対象になりますか?

婚姻期間中に夫婦の協力によって蓄えたタンス貯金は、財産分与の対象になります。

ただし、銀行預金と違って履歴が残らないため、存在や金額を証明するのが難しい財産です。「そんな現金はなかった」と相手に否認されるリスクが高く、調停や裁判では争点になりやすい傾向があります。

そのため、相手のタンス貯金が共有財産であることを主張する場合は、現金の存在を認めるに足りる具体的な証拠が必要になります。

離婚時の財産分与で通帳の開示はできますか?

相手の財産を確認する目的で、通帳の開示を求めることは可能です。

夫婦が婚姻期間中に築いた財産を公平に分与する必要があるため、少なくとも財産分与の基準時(別居時)における預貯金の内容は確認する必要があります。

協議の段階で相手が応じればスムーズに進みますが、拒否される場合も少なくありません。その際は家庭裁判所で調停を申し立て、裁判所の関与の下で通帳の開示を求めると良いでしょう。

開示を求める手段を知っておけば、財産隠しを防ぎ、公平な分与につなげられます。

まとめ|財産分与で対象にならないものを把握してトラブルを防ごう

財産分与では、対象になるものとならないものを正しく理解することが、不要な争いを避ける第一歩です。

婚姻前の財産や相続・贈与による財産などは、原則として対象外です。逆に、婚姻期間中に築いた預貯金や不動産、金融資産、生活費の借金などは対象に含まれるのが基本になります。

判断が難しい退職金や保険契約などもあり、当事者だけで整理しようとすると感情的な衝突につながりかねません。そのため、対象の範囲をきちんと把握し、必要に応じて専門家の助言を得ることが大切です。

丸の内ソレイユ法律事務所では、離婚分野で年間900件以上・累計6,000件以上の相談実績を持っております。あなたの状況に寄り添った解決策をご提案し、有利な形で交渉を進められるよう全力でサポートいたします。

財産分与などの離婚問題で悩んだ際は、一人で抱え込まずにご相談ください。

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