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養育費の強制執行とは?条件・手続きの流れ・費用を徹底解説

養育費の強制執行とは?条件・手続きの流れ・費用を徹底解説

約束していたはずの養育費が支払われず、どうすれば取り戻せるのか悩んでいませんか。

何度も催促しても支払いがなく、対応に限界を感じたときに検討されるのが「強制執行」という法的手続きです。
強制執行とは、裁判所を通じて相手の財産を差し押さえ、法的な強制力によって未払いの養育費を回収する仕組みです。実際に行うには、一定の条件や手続きの流れを理解しておく必要があります。

本記事では、養育費の強制執行の仕組みから申立ての手順、必要書類、費用の目安までをわかりやすく解説します。

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養育費の強制執行とは?基本的な仕組み

養育費の強制執行とは、取り決めた養育費が支払われない場合に、裁判所を通じて未払い分を回収するための法的手続きです。

裁判所が相手の財産を特定して、給与や預貯金を差し押さえることで支払いを実現します。相手の同意を得なくても、裁判所の手続きによって、未払い分の養育費を回収できる制度です。

強制執行で差し押さえできる対象

強制執行では、相手の財産の種類によって対象や手続きが異なります。養育費の回収で一般的に用いられるのは、給与と預貯金の差し押さえです。

給与は継続的な収入源であり、安定して回収できる点が特徴です。

一方、預貯金の差し押さえは一度にまとまった金額を回収できる可能性がありますが、口座情報や残高を事前に把握しておく必要があります。

代表的な差し押さえ対象は次のとおりです。

財産の種類 概要・特徴
給与債権《きゅうよさいけん》 相手の勤務先から支払われる給与や賞与が該当します。継続的な収入源であるため、養育費の回収において最も効果的な対象とされます。
預貯金債権《よちょきんさいけん》 相手が持つ銀行口座や郵便貯金口座の預金を指し、申立て時点で口座にある残高が対象となります。
不動産 相手名義の土地や建物を指し、差し押さえ後に裁判所の手続きを通じて競売(けいばい)にかけ、売却代金から未払いの養育費を回収します。
動産 自動車、貴金属、美術品など、価値のある「モノ」です。ただし、生活に不可欠な家財道具などは差し押さえが禁止されています。
その他 生命保険の解約返戻金《かいやくへんれいきん》や、相手が誰かに貸しているお金(貸金債権)なども対象になり得ます。

債権(給与や預金)を差し押さえる場合、申立先は原則として相手(債務者)の住所地を管轄する地方裁判所です。

ただし、勤務先(給与)や金融機関の支店(預金)の所在地を管轄する地方裁判所に申立てることも認められています。申立人にとって都合の良い方を選ぶことができます。

不動産を差し押さえる場合は、その不動産の所在地を管轄する地方裁判所に申立てます。

いずれにせよ、どの財産を差し押さえるかによって、必要な情報(勤務先・銀行名・口座番号・不動産登記など)を事前に把握しておくことが重要です。

将来分の養育費を差し押さえできる仕組み

養育費の強制執行には、一般的な債権回収とは異なる特徴があります。まだ支払期日が来ていない「将来分」の養育費も差し押さえの対象にできる点です。

これは、養育費が子どもの生活と成長を支えるために、継続的に必要な費用である特性に基づいています。

この仕組みが適用されるのは主に「給与債権」の場合です。裁判所が差し押さえを認めると、相手の勤務先が給与から一定額を差し引き、その金額を権利者(あなた)に直接支払うことになります。

具体的な手続きの流れは以下の通りです。

  • 相手の勤務先に対し、差し押さえの手続きを行います。
  • 裁判所が差し押さえを認めると、勤務先は相手の給与から一定額を天引きします。
  • その天引きした金銭を、権利者(あなた)に直接支払うことになります。

この効力は、相手が退職するまで、あるいは養育費の支払い義務が終了するまで継続します。

一度の手続きで、毎月の支払期日が来るたびに自動的に差し押さえが実行されるため、未払いのたびに新たな申立てを行う必要はありません。

なお、預貯金や不動産などの財産については、すでに支払期日を過ぎて未払いが確定した分のみが差し押さえの対象となります。将来分については差し押さえの対象外となる点に注意が必要です。

参照:裁判所-給料差押えの場合


養育費の強制執行を行うための4つの必須条件

養育費の強制執行は、未払いが生じたからといって、条件なく実行できるものではありません。

裁判所を通じて相手の財産を差し押さえるためには、法律で定められた一定の要件を満たしていることが重要です。万が一要件が整っていない場合、申立てが認められない可能性があります。

条件1:債務名義を取得していること

強制執行を行ううえで重要なのが、「債務名義《さいむめいぎ》」を取得していることです。

債務名義とは、養育費を請求する権利が法的に確定していることを公的に証明する文書を指します。文書がなければ、強制執行の申立てを行うことはできません。

具体的には、以下のような文書が債務名義に該当します。

債務名義の種類 概要
執行認諾文言付き公正証書 公証役場で作成した公正証書のうち、「支払いを怠った場合には直ちに強制執行に服する旨」の文言(執行認諾文言)が記載されているものです。これが記載されていない公正証書や単なる離婚協議書は、債務名義には該当しません。
調停調書 家庭裁判所で行われる調停において、養育費の支払いについて当事者間で合意が成立した際に作成される文書です。
審判書(確定証明書付き) 家庭裁判所の審判手続により養育費の金額などが決定された場合に作成される文書です。強制執行を行うには、確定証明書の添付が必要です。
判決書(確定証明書付き) 離婚訴訟などで裁判所が養育費の支払いを命じた場合に作成される文書です。審判書と同様に、確定証明書の添付が必要となります。
和解調書 離婚訴訟などで和解した場合に作成される文書です。

条件2:相手の住所を特定していること

強制執行の手続を進めるためには、相手(債務者)の現在の住所が判明している必要があります。

住所の特定は、裁判所が相手に対して「差押命令《さしおさえめいれい》」などの書類を送達するために不可欠な要件です。

相手が引っ越しをしており、住民票上の住所も不明な場合は、裁判所からの送達ができず、手続きを進めることができません。

そのため、申立ての前に住民票や戸籍附票などで最新の住所を確認する、または弁護士を通じて弁護士会照会などの方法で調査を行う必要があります。

条件3:相手の財産を把握していること

裁判所は、相手の財産を自動的に調査してくれるわけではありません。

強制執行の申立てを行う側(債権者)が、差し押さえる財産を具体的に特定しておく必要があります。

財産の所在が判明した上で、以下の情報が同時に必要です。

  • 給与を差し押さえる場合:相手の勤務先(会社名および所在地)の情報が必要
  • 預金を差し押さえる場合:金融機関名、支店名を把握しておく必要がある

これらの情報が不正確な場合、申立てが受理されなかったり、差し押さえの効果が得られなかったりする可能性があります。

もし財産の所在が不明な場合は、弁護士を通じて戸籍の附票・登記情報・勤務先照会などの調査を行うことも可能です。

条件4:養育費が時効になっていないこと

養育費を受け取る権利(債権)には、時効が定められています。

一定の期間が経過すると、その請求権は時効により消滅し、強制執行を行うことができなくなるので、注意が必要です。

時効期間は、請求可能になった時から5年です。

養育費は毎月一定の金額を支払うことを合意しているのが通常ですが、その場合の時効は養育費の「毎月の各支払期日」から個別に進行します。たとえば、5年前の同じ月に支払われるはずだった1か月分の養育費が時効になり、その後更に時間が経過すると、また1か月毎にその月分の養育費がそれぞれ時効で請求できなくなるという形です。

この時効が完成する前に、裁判所への申立て(調停・強制執行)などを行えば、以後の時効の進行について更新(リセット)させることができます。

しかし、すでに時効が完成してしまっている場合は、原則として回収が難しくなるため、早めの確認と対応が重要です。

関連記事:養育費は時効で請求できなくなる?5年・10年の違いと対処法まで解説


養育費の強制執行はいつから可能?申立ての適切なタイミング

養育費の強制執行は、法的には支払期日を過ぎた時点で、1回の滞納でも申立ては可能です。

ただし、実際には相手との関係性や支払い状況を踏まえ、慎重に判断することが望ましい場合もあります。

以下では、代表的な申立てを検討すべきタイミングを解説します。

1.初回滞納が発生したとき

支払期日を1日でも過ぎれば、法的には強制執行の申立てが可能です。初回の滞納で直ちに手続きを行うケースは一般的ではありませんが、この段階で動くことには明確な意味があります。

「支払いの約束は法的義務である」という意思を明確に示すことが可能です。相手に支払いの重要性を再認識させ、将来的な滞納を防ぐ効果が期待できます。

ただし、単なる「うっかり忘れ」や「口座振替の誤り」の可能性もあり得ます。さらに関係性の悪化を招きやすく、その後の面会交流などに影響が出る恐れもあります。

2.数か月滞納が続いたとき

数回にわたり催促しても支払いが途絶えている状況は、当事者間の話し合いによる解決が困難であると判断できるため、多くの方がこのタイミングで申立てを検討し始めます。

電話や書面での催促を何度か試みた後、複数回にわたる催促にも応じず、滞納が継続しているタイミングが目安です。

ただし、滞納額が膨らむと、相手の支払い能力を超えて回収が難しくなる可能性があります。生活費への影響が出る前に、法的な手続きで安定した支払いを促しましょう。

3.時効が迫っているとき

養育費の強制執行を検討すべきタイミングの中でも、特に注意が必要なのが「時効が迫っている場合」です。時効の完成が近いタイミングで未払い分がある場合は、早急な対応が求められます。

時効が迫っている場合は、まず内容証明郵便による催告で時効の進行を一時的に止めるのが有効な手段です。

内容証明郵便による催告は、時効の完成を一時的に止める「完成猶予」の効果があり、最長6か月間の猶予が得られます。

一方、強制執行は、時効のカウントを止めて再スタートさせる「更新」の効果があり、同時に未払い分の回収も実現できる実質的な手続きです。

方法 効果 補足説明
内容証明郵便 時効の完成を一時的に止める(6か月の完成猶予) 相手に支払い請求の意思を正式に通知することで、時効の完成を一時的に止めることができる。ただし、6か月以内に訴訟や強制執行などの法的手続きを取らないと再び時効が進行する。
強制執行 時効のカウント自体を止め、再スタートさせると同時に未払い分を回収 裁判所を通じて差押えなどを行う手続き。時効対策としても有効で、実際に未払い養育費の回収も可能。

時効が近い場合には、まず内容証明郵便で時間を確保し、速やかに強制執行の申立てを行うことが重要です。手続きの順番を誤ると、権利が消滅してしまう恐れがあるため注意しましょう。


養育費の強制執行を行う手続きの流れ【5ステップ】

養育費の強制執行は、法に則った厳格な手続きです。申立てから回収まで、定められた手順を踏む必要があります。

ここでは、その具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。(※主に給与や預金を差し押さえる「債権差押」を前提とします)

参照:裁判所-債権差押命令手続の流れ

ステップ1:強制執行の準備と相手の財産調査

強制執行の手続きを始める前に、重要な準備のひとつが財産調査です。

調査すべき主な財産情報は以下の通りです。

  • 給与債権:相手の勤務先(会社名、本店所在地)
  • 預貯金債権:金融機関名、支店名

これらの情報は、弁護士会照会や財産開示手続などを通じて調査できる可能性があります。もし情報が不明確な場合、「第三者からの情報取得手続」によって銀行や年金機構などに照会する方法も可能です。

万が一、取得した情報に誤りや、財産の情報が不明確なまま申立てを行っても、差し押さえが実現しない可能性があります。

よくある不成立の例

  • 金融機関の支店名の誤り(支店特定ミス)
  • 旧勤務先情報での申立て(退職・転籍済み)
  • 口座名義の不一致・名寄せ不可による照合不能

ステップ2:申立てに必要な書類を揃える

強制執行が可能な財産の見通しが立ったら、申立てに必要な書類を準備します。不備があると裁判所で受理されないことがあるため、正確な書類作成が不可欠です。

申立てに必要な主な書類は以下の通りです。

書類名 概要
債務名義の正本 権利を証明する最重要書類。調停調書、審判書、判決書、または執行認諾文言付公正証書など。原本の提出が必要。
送達証明書 債務名義が相手に正式に届いたことを証明する書類。裁判所に申請すれば調停調書や判決書が送達された後に発行される。公正証書をもとに申立てを行う場合は、作成した公証役場に申請すれば発行される。
債権差押命令申立書 裁判所指定の書式。誰のどの財産を差し押さえるかを具体的に記載する。特定が不十分な記載(「〇〇銀行の口座」など)だと申立てが却下される。
各種目録(当事者目録・請求債権目録・差押債権目録) 当事者や差し押さえの根拠、対象などの詳細を整理して添付する。特に勤務先や金融機関情報は正式名称・所在地を正確に記載する必要がある。
資格証明書・住民票 差押えの当事者・対象者を特定するのに必要。

調停調書や審判書などを利用する場合は、家庭裁判所の書記官室で発行を依頼することで入手できます。

また、勤務先が法人である場合など、会社情報を証明するための登記簿謄本は法務局で取得が可能です。

これらの書類は、いずれも原本または正式な謄本を提出する必要があり、コピーや写しでは受理されない点に注意が必要です。

ステップ3:裁判所へ申立てを行う

必要書類がすべて揃ったら、相手の住所地を管轄する地方裁判所に対して「債権差押命令」の申立てを行います。家庭裁判所ではない点に注意が必要です。

申立ての際には、次の費用を裁判所に納付します。

  • 収入印紙:申立手数料として(通常4,000円~)
  • 郵便切手:裁判所が相手方や勤務先などへ書類を送達するための費用

申立て後は、裁判所が提出書類の内容を確認し、記載に不備がある場合は補正の指示が行われます。問題がなければ、債権差押命令の発令に進みます。

ステップ4:裁判所から差押命令が出され相手に通知される

申立てが受理されると、裁判所は書類の形式的な審査を行います。

この手続きは、すでに確定した債務名義(調停調書・判決書・公正証書など)に基づいて行われるため、養育費の金額や支払い内容を改めて審理することはありません。

不備がなければ、裁判所は「債権差押命令」を発令します。命令は、以下の関係者に送達されます。

  • 第三債務者:差し押さえ対象を管理する者(勤務先や金融機関など)
  • 債務者:養育費の支払い義務者(相手本人)

この送達が完了した時点で、差し押さえの法的効力が発生します。

特に預貯金差し押さえの場合は、相手本人よりも先に金融機関へ命令が届くため、相手が預金を引き出す前に口座が凍結され、残高の中から未払い分を回収できる仕組みです。

ステップ5:差し押さえによって養育費を回収する

債権差押命令が第三債務者(勤務先や銀行)に届くと、いよいよ回収の段階に入ります。養育費の回収方法は、差し押さえた財産によって異なります。

差し押さえ対象 回収の流れ
給与債権 勤務先が相手の給与から差し押さえ分を控除し、その金額を申立人に直接支払います。将来分の養育費も含め、継続的な支払いを受けることが可能です。
預貯金債権 金融機関(第三債務者)は、債権差押命令の時点で口座にあった残高を確保します。命令が相手に送達されてから一定期間(通常1週間)経過後、申立人は金融機関から直接、差し押さえた預金を取り立てることができます。

このように、強制執行では相手本人を介さずに、裁判所の権限に基づいて未払い養育費を回収できます。

ただし、養育費の未払い分を銀行口座から差し押さえたとしても、債権差押命令が出た時点では「口座残高が凍結」されるだけで、自動的にご自身の口座に振り込まれるわけではありません。

預金差し押さえ後は、金融機関に対して「取立権」を行使して手続きを行う必要があります。手続きを経てから金融機関から、対象の金額が支払われる仕組みです。


強制執行で差し押さえ可能な財産の種類

強制執行では、相手(債務者)が保有する財産の一部を差し押さえて、未払いの養育費を回収します。

ただし、生活に欠かせない最低限の財産(衣類・家具・一定額の現金など)は、法律で差し押さえが禁止されています。児童手当・障害年金・生活保護費などの公的給付も回収対象外です。

また、対象とする財産の種類によって、回収までの期間や難易度も異なる点に注意が必要です。

ここでは、代表的な差し押さえ対象について解説します。

給与(手取りの2分の1まで)

給与や賞与は、養育費の強制執行で一般的かつ効果的な対象です。

相手が会社員や公務員の場合、裁判所から勤務先に「差押命令」が送付され、勤務先が相手の給与から一定額を差し引いて支払います。

養育費の差し押さえは、法律により手取り給与の2分の1まで差し押さえが可能です。 ここでいう「手取り」とは、社会保険料や税金を控除した後の実受取額を指します。(※手取り額が66万円を超える場合は、33万円を引いた全額が対象)

具体的には、手取り30万円の場合は最大15万円、手取り70万円の場合は37万円(70万円−33万円)が差し押さえ可能な上限となります。

なお、賞与も給与と同様に差し押さえ可能であり、既に他の差し押さえがある場合でも、養育費は子どもの生活を守る債権として優先的に扱われます。

一度でも差押命令が出れば、将来の支払い分に対しても継続的に効力が及びます。相手が勤務先を退職するまで、差し押さえの効力が継続するのが特徴です。

預貯金・銀行口座

相手名義の銀行口座や郵便貯金も、差し押さえの対象となります。

差し押さえの範囲は差し押さえた時点で口座にある残高に限られ、その中から未払い分を一括で回収します。

預貯金を差し押さえるには、金融機関名および支店名を正確に特定する必要があります。情報が誤っていると、差し押さえが実行されません。

給与の振込直後など口座残高が多くなる時期に合わせて申立てを行うと、回収の実現率が高まる傾向があります。

ただし、その後の入金分は自動的には差し押さえできないため、残高が不足していた場合には再度の申立てが必要となります。

不動産・生命保険などその他の財産

給与や預貯金以外にも、差し押さえの対象となる財産は存在します。

ただし、手続きが複雑など、換金(現金化)までに時間を要する場合が多く、実務上は優先順位が低い傾向にあります。

財産の種類 概要と特徴
不動産 相手名義の土地や建物です。差し押さえた後、競売《けいばい》にかけて売却し、その代金から回収します。手続きが非常に複雑で、時間と費用(予納金)を要します。
生命保険 解約返戻金《かいやくへんれいきん》が発生するタイプの保険契約。解約によって返戻金を差し押さえることができます。
動産 自動車、貴金属、有価証券(株式)などが該当します。ただし、日常生活に必要な物(家電・家具など)は法律で差押禁止財産とされています。

養育費の強制執行にかかる費用

養育費の強制執行を行う際には、一定の費用がかかります。

主に「裁判所に納める実費」と「弁護士に依頼する際の費用」の2種類があり、申立て前におおまかな支出の目安を把握しておくことが大切です。

裁判所に支払う実費(収入印紙・郵便切手)

弁護士に依頼するかどうかにかかわらず、必ず発生するのが裁判所に納める実費です。

申立てに必要となる主な実費は次の通りです。

費用の種類 概要 目安(債権差押の場合)
申立手数料(収入印紙) 裁判所に申立てを行うための基本手数料です。 4,000円(申立人1名、相手方1名、第三債務者1名の場合)
郵便切手 裁判所が関係者(相手方、勤務先、銀行など)へ書類を送達するために使用します。 3,000円~5,000円程度(送達先の数によって変動します)
その他実費 相手の住民票や、勤務先(法人)の登記事項証明書(資格証明書)を取得するための費用です。 数百円~数千円程度

これらの申立てにかかった費用は、強制執行の手続きがうまくいかなかった場合でも返還されません。

弁護士に依頼する場合の費用(着手金・報酬金)

強制執行の手続きは専門的で、書類作成にも一定の法的知識が求められます。

自身で手続きを進めることも可能ですが、弁護士に依頼すれば書類の不備や進行上のトラブルを防ぎ、より確実かつ円滑に手続きを進められる可能性があります。

弁護士費用の体系は事務所ごとに異なりますが、一般的には以下の要素で構成されます。

費用の種類 概要
着手金 手続きを依頼する際に支払う費用。結果の成否にかかわらず発生します。
報酬金 差し押さえが成功し、実際に養育費を回収できた場合に支払います。
実費・日当 書類提出や出廷などに伴う交通費・郵送料などの実費。

弁護士費用は依頼内容や難易度によって異なります。まずは弁護士に見積もりを依頼しましょう。

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所では、養育費の強制執行に関するご相談・ご依頼を承っております。ご状況を伺った上で、費用についてもご説明いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


電話受付時間 9:00〜20:00 土日祝休

養育費減額請求を審判で解決した事例

実際に弊所にご相談いただき解決した事例を紹介します。

ご依頼の経緯

Pさんは離婚してからしばらくの間、相場よりかなり高い養育費を払い続けていました。しかし、Pさんも再婚して子供ができたので高額の養育費を払い続けるのが困難になりました。よって、Pさんは前妻と養育費の減額について交渉しましたが解決しませんでした。

当事務所の対応

そこで弁護士に相談し減額請求調停を飛ばして審判で決着し、養育費は相場通りの金額で決着しました。本人同士が東北と九州で離れていたため、裁判所へは出頭せず電話会議で決着でした。

関連記事:養育費減額請求を調停無しでいきなり審判で解決した事例

上記のようなトラブルの際は、ぜひ弊所にご相談ください。女性の初回相談は無料ですので、離婚時の財産分与にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

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養育費の強制執行に関するよくある質問

強制執行を行うメリット・デメリットとは?

強制執行には、法的な強制力によって確実な回収を目指せるメリットと、手続きの負担や人間関係への影響といったデメリットがあります。両者を見極めた上で、自分に必要な措置をとることが大切です。

観点 概要
主なメリット 相手の意思に関わらず、法的に財産を差し押さえられます。給与差し押さえの場合、将来分も継続的に回収できる可能性があります。
主なデメリット 申立てには実費や弁護士費用などの負担が生じます。また、必要書類の準備や審査に時間がかかり、相手との関係が悪化する場合もあります。さらに、差し押さえる財産が見つからなければ「空振り」に終わることもあります。

関連記事:養育費の強制執行にはデメリットがある?実施前に知るべきリスクと対処法

公正証書がなくても強制執行できる?

公正証書がなくても強制執行できる場合があります。

強制執行に必要なのは「債務名義」と呼ばれる公的な文書です。公正証書(執行認諾文言付)はその一つに過ぎません。

以下の文書も債務名義として認められます。

  • 家庭裁判所の調停調書
  • 家庭裁判所の審判書(確定証明書付)
  • 離婚訴訟の判決書(確定証明書付)
  • 離婚訴訟での和解調書

ただし、当事者間で私的に作成した離婚協議書などの合意書は債務名義になりません。その場合は、あらためて養育費請求の調停を家庭裁判所に申立てたり、合意した養育費の支払いを求める民事訴訟を地方裁判所に提起する必要があります。

手続きにはどれくらい時間がかかる?

差し押さえる財産の種類や、裁判所の混雑状況によって変動します。

おおまかな目安は以下の通りです。

  • 申立て準備(財産調査、書類収集):数週間~数ヶ月
  • 裁判所への申立て~差押命令発令:数日~2週間程度
  • 差押命令の送達~実際の回収:1ヶ月~2ヶ月程度

給与差し押さえの場合は数ヶ月程度で進む傾向がありますが、不動産の差し押さえ(競売)などは半年〜1年以上かかる場合もあります。

相手の住所がわからない場合の対処法は?

相手の住所が不明な場合、裁判所から書類を送達できず、手続きを進めることはできません。住所を特定するためには、次のような方法を検討します。

まず、過去の住所地や本籍地をたどることで、現在の住所を把握できる場合があります。債務名義を提示すれば、権利者自身が住民票や戸籍の附票を取得できることもあります。

債務名義取得後であれば、2020年改正民事執行法により導入された「第三者からの情報取得手続」を利用することが可能です。

この手続きでは、裁判所を通じて登記所・市町村・日本年金機構・金融機関などから、相手の不動産情報・勤務先情報・預貯金口座情報などを取得できる可能性があります。

ご自身での調査が難しい場合は、弁護士に依頼することで、債務名義の有無や状況に応じた最適な調査方法を選択できます。

参照:裁判所-① 財産開示手続 と ② 第三者からの情報取得手続

相手から異議申し立てを受けた場合の対応は?

強制執行に対して、相手が法的な不服を申立てることがあります。これを「請求異議の訴え」といい、次のような主張が当てはまります。

  • 「すでに支払いを終えている」
  • 「養育費の金額が不当である」

このような場合、事案は法的に複雑化する可能性があり、ご自身だけでの対応は非常に難しくなります。

異議申立てを受けた場合は、裁判所に対して反論書や証拠を提出する必要があります。放置すると、進行中の強制執行が停止または取り消されるおそれがあります。

通知を受けた時点で、強制執行に詳しい弁護士に速やかに相談することが賢明です。


まとめ|養育費の強制執行は専門知識を踏まえて適切に進めよう

養育費の強制執行は、未払いを解決するための強力な法的手段です。しかし、その実行には「債務名義」の取得や財産の特定など、複数の必須条件があります。

さらに、強制執行の手続きは難易度が高く、申立てから差押命令の発令まで1〜2か月程度、その後の回収までさらに1〜2か月かかるのが一般的です。必要費用も数千円〜数万円ほど発生するため、事前に見通しを立てて準備する必要があります。

この記事で解説した流れや条件、メリット・デメリットを正しく理解することが重要です。特に、どの財産を、どのタイミングで差し押さえるかは、専門的な判断が求められます。

ご自身で手続きを進めて「空振り」に終わる可能性を避けるためにも、まずは専門家へ相談しましょう。ご自身の状況で強制執行が可能か、どの方法が最適かを知ることが、確実な回収への第一歩となります。

手続きの進め方や財産調査でお悩みの方は、一度「弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所」にご相談ください。あなたの状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

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