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共同親権と養子縁組の関係とは?再婚時に知っておくべき注意点を弁護士が解説

共同親権と養子縁組の関係とは?再婚時に知っておくべき注意点を弁護士が解説

【この記事の要点】
・養子縁組のハードル:共同親権下で15歳未満の子が再婚相手と養子縁組をするには、原則として元配偶者(別居親)を含む親権者全員の同意(代諾)が必要。
・拒否された時の救済策:元配偶者が正当な理由なく同意を拒む場合、家庭裁判所の許可を得て、単独で縁組を進めることができる手続きが新設された。
・養育費への影響:養子縁組が成立すると、再婚相手が第一次的な扶養義務者となり、元配偶者の養育費支払義務は減免される可能性が高い。

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共同親権と「再婚」の新しい問題

離婚後に新しいパートナーと出会い、再婚して新しい家庭を築く。これは誰にでも認められる権利です。 しかし、令和8年4月に導入される「共同親権」は、この再婚、特に「連れ子の養子縁組」の手続きに大きな影響を与えます。

これまで改正前民法下では単独親権しか存在していませんでした。そのため、再婚を考えている親が単独親権を持っていれば、自分の判断だけで再婚相手と子どもを養子縁組させることができました。しかし離婚後、共同親権となっている場合、別れた元配偶者も親権者として存在し続けるため、養子縁組の法的なハードルが一つ増えることになるのです。

この記事では、再婚を考えている方、あるいは元配偶者が再婚しそうな方に向けて、養子縁組の手続きと養育費への影響について解説します。

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15歳未満の子の養子縁組には「元配偶者の同意」が必須?

「代諾(だいだく)」のルール(民法797条1項、2項参照)

子どもが15歳未満の場合、自分自身で養子縁組の意思表示をすることができません。そのため、法律上は「法定代理人」が本人に代わって承諾(代諾)をする必要があります。

共同親権の場合、子どもの法定代理人はその子どもの父母の2人(同居親と別居親の両方)です。 したがって、改正民法の原則どおりに解釈すれば、同居親だけでなく、別居親(元配偶者)の同意なければ、その子どもと再婚相手との養子縁組は成立しないことになります。 これは、「自分の知らないところで子どもが他人の養子になり、氏(苗字)が変わったり、扶養関係が変わったりする」という事態を防ぎ、別居親の親権を保護するためです。

15歳以上の場合は本人の意思

子どもが15歳以上の場合は、親権者の同意は不要で、子ども自身の意思で養子縁組をすることができます。この場合、共同親権であっても元配偶者にブロック権限はありません。

養子縁組をせずに苗字だけを変えたい場合や、離婚後の氏の変更手続きについては、こちらをご覧ください。

👉 [共同親権になったら子どもの苗字はどう決まる?母親が知っておくべきポイント]

元配偶者が養子縁組に同意してくれない場合

では、元配偶者が「嫌がらせ」や「感情的な対立」だけで同意を拒否した場合、再婚家庭の形成は諦めなければならないのでしょうか?

家庭裁判所の許可(改正民法797条3項、4項参照)

このようなケースに備え、改正民法では救済措置が設けられました。 共同親権者の一方が、正当な理由なく養子縁組に同意しない(代諾を拒否する)場合、他方の親は家庭裁判所に申し立てを行い、「許可」を得ることで、単独で代諾ができるようになります。

どのような場合に許可される?

裁判所は、「その養子縁組が特に子の利益になるか」を審査します。

子どもの利益のために「特に」必要であると認められる必要があります。

元配偶者の親権を維持したとしても子どもにとって特に問題ない場合には、養子縁組が特に必要であるとは認められません。

他方で、元配偶者が親権を持ち続けることを子どもが拒絶している、子どもと再婚相手の関係が良好である、元配偶者が子どもの進学の手続きに一切協力しないなどといった事情が存在する場合には、元配偶者の同意がなくても養子縁組が許可される可能性も十分にあるでしょう。

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養子縁組をすると「養育費」はどうなる?

養子縁組は、単に苗字が変わるだけの手続きではありません。親子という法的な身分関係が発生し、「扶養義務」の移動が生じます。

再婚相手が「第一次義務者」になる

養子縁組が成立すると、法律上の親(養親)となった再婚相手が、子どもに対する「第一次的な扶養義務」を負うことになります。 実の実親である元配偶者(別居親)の扶養義務は消えるわけではありませんが、「第二次的な義務(養親に資力がない場合の予備的な義務)」へと後退します。

養育費は減額またはゼロに

実務上、再婚相手に十分な収入があり、子どもを養える状態であれば、元配偶者への養育費請求は認められなくなる(=養育費がゼロになる)ケースが一般的です。 もし元配偶者から「養子縁組をしたのだから、養育費の減額調停を申し立てる」と言われた場合、減額が認められる可能性は非常に高いといえます。

再婚後の養育費の減額計算や手続きについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

👉 [共同親権でも養育費は請求できる?離婚後に後悔しないための法的ポイント]

法定養育費との関係について

改正民法の施行により、新たに法定養育費の制度が導入されます。法定養育費制度とは、父母の協議などにより養育費の取決めなどが完了するまでの間の暫定的な措置のために導入された制度であり、同居親から別居親(元配偶者)に対して、子ども一人あたり月額2万円の範囲内で養育費の請求が認められます。なお、前記のとおり、養育費の取決めが完了するまでの暫定的な措置であり、養育費の取決めを既に行っている場合には法定養育費を請求することができません。

法定養育費の支払の終了事由は、養育費と取決めを行うこと等であり、養子縁組は終了事由にはなっていません。養子縁組を行ったとしても、元配偶者の法定養育費の支払義務は消えない点には注意が必要です。

まとめ:再婚前に整理すべきこと

離婚後共同親権時代における再婚は、自分たちカップルだけの問題ではなく、元配偶者も含めた法的な調整が必要になります。

  • 再婚相手との養子縁組を希望するか?
  • 元配偶者は同意してくれそうか?
  • 養育費が止まっても経済的に大丈夫か?

これらを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

複雑な「再婚・養子縁組」の手続きは専門家へ

元配偶者との関係が悪化している場合、養子縁組の同意を求める連絡一つが新たな火種になりかねません。 当事務所では、「家庭裁判所への代諾許可の申立て」や「元配偶者との交渉」を代理で行います。新しい家族のスタートをスムーズに切るために、ぜひ弁護士のサポートをご活用ください。

【再婚・養子縁組】弁護士へのご相談はこちら
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