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熟年離婚の財産分与|相場の目安と不動産・婚姻期間が与える影響

熟年離婚の財産分与|相場の目安と不動産・婚姻期間が与える影響

熟年離婚の財産分与は、婚姻期間が長いぶん高額になりやすく、自宅不動産や退職金、年金などが大きな争点になりやすいテーマです。「相場はどのくらい?」「家は売るべき?」「婚姻期間が長いと有利になる?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。実際には、財産分与の金額は夫婦ごとの事情によって異なり、不動産の評価額や住宅ローン、特有財産の有無などによって結果が変わります。この記事では、熟年離婚における財産分与の基本から、相場の目安、不動産・婚姻期間が与える影響まで、知っておきたいポイントをまとめて解説します。

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熟年離婚の財産分与の対象になる財産

熟年離婚をする場合、夫婦はある程度長期の婚姻生活の中で自宅を購入していることが多いので、自宅不動産が財産分与の対象となることが多いです。また、長い会社員生活の間に積み立てた確定拠出年金や退職金なども財産分与の対象となります。

熟年離婚における財産分与の相場はどのくらい?

熟年離婚の財産分与が高額になりやすい理由

財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を公平に分配するものです。そのため、婚姻期間が短ければ、短期間に多額の財産を築くことは困難ですが、婚姻期間が長ければ、それだけ蓄財も進むことになりますので、婚姻期間が長い熟年離婚の場合には、財産分与が高額になりやすいという傾向が見られます。

相場だけで判断できない注意点

令和6年の司法統計によると、調停等で財産分与の取決めがあった事件数のうち、最も多い財産分与の額は「100万円以下」となっています。

しかし、これは統計上の数字に過ぎず、ご自身にも当てはまるとは限りません。

夫婦で築いた財産の内訳や総額は、資産や職業、その他の事情によって決まるため、夫婦によって、また事案によってもまちまちですので、一般的な相場だけで判断することはできず、あくまでご自身のケースについてはどうかを考える必要があります。

財産分与の割合についてはこちらでも解説しておりますので、ぜひご確認ください。

熟年離婚の財産分与の計算方法

財産分与については、「離婚後の当事者間の財産上の衡平を図るため、当事者双方がその婚姻中に取得し、又は維持した財産の額及びその取得又は維持についての各当事者の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力及び扶助の状況、各当事者の年齢、心身の状況、職業及び収入その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める」とされています。

もっとも、「婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は、その程度が異なることが明らかでないときは、相等しいものとする」とされていますので、基本的には、2分の1ずつ分ける形となります。

ただし、結婚前に築いた財産や親からの相続や贈与により取得した財産などのいわゆる特有財産は財産分与の対象外となりますので、総財産からこれら特有財産を除外した財産を2分の1ずつ分けることになります。

熟年離婚の財産分与は婚姻期間が長いほど高額になりやすい

婚姻期間が財産分与額に影響する仕組み

財産分与は婚姻中に夫婦で増やした財産を分ける制度ですから、家庭が赤字ではなく黒字家計である場合には、単純に婚姻期間が長くなればなるほど貯蓄額は増えていくことになります。

また、婚姻前に築いた財産は、相続財産等と同様に特有財産と呼ばれ、財産分与の対象からは除外されますが、婚姻期間が長くなればなるほど、婚姻前の財産状況を示す資料が残っているケースは少なくなります。金融機関においても10年以上前の資料は保存されていません。そのため、婚姻前に築いた特有財産であることを証明できず、その結果、本来は特有財産であるはずの財産まで含めて財産分与がなされることが多くなります。

このような理由から、婚姻期間が長いほど財産分与額は高額になりやすくなるのです。

実際、令和6年の司法統計でも、婚姻期間25年以上の夫婦では、「2000万円以下」が最も多く、次いで「1000万円以下」、「2000万円を超える」金額で財産分与の取決めをした夫婦が多くなっています。

短期間でも財産分与額が大きくなるケース

夫婦の一方の年収が数千万円から億を超えるなど、圧倒的に生活費を上回るような場合には、短期間でも財産分与額が大きくなることはあり得ます。

また、婚姻期間中に購入した不動産や株式等の価格がその後大幅に値上がりしたような場合にも、財産分与額は大きくなります。

離婚時の財産分与における時効についてはこちらをご確認ください。

熟年離婚の財産分与と不動産評価額の関係

不動産を分ける主な方法(売却・代償金・持ち続ける)

夫婦の財産分与対象に不動産が含まれる場合には、主に3つの方法のいずれかが採用されます。

①は、不動産を売却して、売却益を分ける方法です。こちらは、金銭に換価して分けることになりますので、分与方法として簡便ですが、不動産を手放さなければならなくなります。

②は、不動産の名義人(多くのケースでは夫)がそのまま持ち続ける方法です。不動産の価値を上回る金融資産等があれば可能ですが、不動産の価値が総財産の大半を占めるような場合には、不動産を売却したりお金を借りたりしなければ分与金を捻出することができないため、この方法を選択することは難しいです。

③は、不動産の名義人でない者(多くのケースでは妻)が不動産を取得する方法です。子の環境を変えたくない等の理由で不動産に住み続けることを希望する妻は多いですが、2分の1という基本的なルールをもとにすると、不動産を取得する場合には、不動産評価額の半額を代償金として夫に支払わなければならないため、②の不動産の名義人である夫がそのまま持ち続けるよりも更に難易度が上がります。

住宅ローンが残っている場合の注意点

住宅ローンが残っている場合には、不動産評価額から別居時のローン残高を控除した金額が財産分与対象となると考えるのが一般的です(別居後に住宅ローンを返済した分は、返済した側の特有財産とみなされるため)。

そのため、①では売却金額から残ローン(と諸費用等)を控除した金額が財産分与の対象となります。

②では、夫は離婚後も引き続き住宅ローンを支払い続けることになります。

③では、基本的に不動産を取得したい妻側が残ローンを引き継ぐ形となりますので、そもそも妻側で住宅ローンの借換えができるのかが問題となり、更に難易度が上がります。夫が合意すれば、夫が引き続き住宅ローンを支払い、完済後に妻が不動産を取得するというような合意をすることもありますが、将来的に夫に住宅ローンの返済ができないような状況が発生した場合には、妻側で住宅ローンを支払えないと、不動産を手放さざるを得ないというリスクがつきまといます。

退職金や年金は財産分与の対象になる?

退職金は、仮に別居時に退職したとしたらもらえるはずだった退職金の額が財産分与の対象となります。仮に婚姻前から働いていたような場合には、婚姻後に働いていた分に相当する額が財産分与の対象となります。例えば、婚姻前5年、婚姻から別居まで20年同じ会社で働いていた場合、別居時に退職したとしたらもらえる退職金の額が1500万円であるとすると、財産分与の対象となるのは、25年(勤務期間)分の20年(婚姻から別居までの期間)に相当する1200万円となります。

年金と呼ばれるもののうち、厚生年金や共済年金については別途年金分割制度が用意されていますので、財産分与の対象とはなりません。企業年金や確定拠出年金、保険商品である個人年金は財産分与の対象となります。いずれも別居時の評価額や解約返戻金の額等が財産分与の対象となります。

財産分与でトラブルになったときの解決方法

財産分与は、通常離婚条件の一つとして話し合いが行われますので、当事者間の話し合いで折り合いがつかなければ、離婚調停を経て、それでも合意できなければ離婚訴訟で決着をつける形になります。

また、離婚時に財産分与について取り決めなかった場合には、離婚後5年間は財産分与を請求することができます。この場合、当事者間の話し合いで折り合いがつかなければ、財産分与請求調停を経て、それでも合意できなければ財産分与請求審判で決着をつける形になります。

夫婦間での話し合い

まずは、当事者間で財産分与について話し合います。お互いがお互いの財産を把握していて、お互いに納得できる分与方法を見つけられれば、協議段階で決着をつけられることもあります。

家庭裁判所での調停

当事者間の話し合いで折り合いがつかない場合、裁判所の調停手続で話し合うことになります。調停手続においては、当事者双方が財産資料の開示を求められますので、当事者のみで行う話し合いよりは公平性が高いと考えられます。

家庭裁判所による訴訟・審判

離婚訴訟や財産分与請求審判においては、最終的に裁判官が結論を出します。他方当事者が財産を隠していると思われる場合には、調査嘱託という制度によって、直接金融機関等に対して財産資料を開示させることも可能となります(調停段階においても調査嘱託が認められることもあるのですが、調停段階で調査嘱託を求めると、だったら訴訟してください、と言われることも多い印象です。)。

熟年離婚の財産分与に不安があるときは専門家に相談

熟年離婚の場合には、長年の給与収入や事業収入が、不動産や株式・投資信託・保険商品等様々なものに形を変えていることが多く、財産状況が複雑なケースが少なくありません。そのため、財産分与の計算も複雑になりがちです。

ご自身で進めることに不安がある場合には、専門家に相談されることをお勧めします。

自分だけで判断するリスク(財産隠し・評価額のトラブルなど)

財産分与について、ご自身だけで判断してしまうと、そのつもりはなくても結果として財産隠しに該当するようなことをしてしまい、裁判所の印象が悪くなることがあり得ます。また、相手が財産隠しをしていると疑われる場合に適切に調査することは困難です。不動産については評価額がいくつも存在しますので、知らずにご自身に不利な評価額を採用してしまうということもあり得ます。

弁護士がサポートできること(財産調査・交渉・調停対応)

弁護士であれば、財産分与についての交渉や調停・訴訟対応を任せられるのはもちろんのこと、相手が財産隠しをしていると疑われる場合に適切な方法で財産開示を求めることも可能です。

夫が退職直前に熟年離婚を要求してきた事例

夫の退職直前に離婚を求められた、50代女性からのご相談事例です。
夫は長年MRとして勤務していましたが、浪費癖があり、退職直前に破産していたこと、さらにキャバクラ勤務の女性との不貞が判明しました。こうした状況の中、夫から一方的に離婚を求められ、依頼者は大きな不安を抱えていました。

当初、夫は「婚姻費用は支払えないため、解決金300万円で離婚したい」と主張していました。
しかし当事務所では、婚姻期間や不貞の事情、退職金の存在を踏まえて粘り強く交渉を行いました。

その結果、解決金を500万円とする条件で離婚が成立しました。
さらに、即時の支払いが困難であるとの夫の事情を踏まえ、退職金について仮差押えを行い、支払いの確実性を確保しました。

夫が退職直前に熟年離婚を要求してきた事例

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丸の内ソレイユ法律事務所は2009年創業。

創業以来離婚に関するご相談を多くいただき、現在では年間1000件以上の離婚に関するお問い合わせを頂いております。

ご相談にいらっしゃるお客様の中には、離婚を考え始めた方から、離婚を決めた方、協議や裁判をご自身で進めていらっしゃる方など様々なご状況のお客様がいらっしゃいます。

経済状況によっては離婚が最善の選択ではないお客様もいらっしゃいますので、ご相談では決して離婚を推し進めることは無く、現状のヒアリングから、次のステップのご提案、離婚後の人生設計まで、お客様のご状況に応じたアドバイスをしております。

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丸の内ソレイユ法律事務所が離婚問題に強い理由

こちらで熟年離婚の財産分与についても解説しております。

離婚調停中にやってはいけないことについてはこちらをご確認ください。

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